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「ふん。慣れてしまえばたわいない相手だね」

「そうね。学園に現れた連中よりも、カローンたちの動きが規則的で単純に感じる」


まあ、所詮はプログラミングされた動きだからな。人のように考えてない。これがきたらこれ、あれがきたらそれ、そういうふうにルールが決まってる。複雑なことはできない。


「お、お、お前たちは被検体の……!」

「被検体……?命の恩人の間違いだろ。恩返しに、俺たちを所長代理サマのところまで案内してもらおうか」

「ヒ、ヒィッ!近付くな!化け物!」

「化け物……だって?」

「慈悲の心で助けて差し上げたというのに……ひどい言われようですねぇ」


本当だな。助けてやったのにこうも言われたら間違って蹴り飛ばしたくなる。
どうしてやろうかと考えていると、レオナ・キングスカラーがスタッフ相手に凄む。


「そんな人相悪くて偉そうな迷子がどこにいるのよ」

「い、嫌だ!中央地区には……『タルタロス』には近付きたくない!『ケルベロス・システム』が乗っ取られた!ファントムが溢れ出したら、この島はもうおしまいだ!」

「なんですって?乗っ取られたって、どういうこと?」

「うるさい!そんなこと説明してる暇はないんだ!そこをどけ!俺は脱出用ターミナルへ行かせてもらう!」


なんだっけ、こういうの死亡フラグって言うだっけ?結構前にイデアさんに教えてもらったな。有名なのは『この戦いが終わったら……』とかなんとか言うやつ。1人で行動するやつも、いつの間にか死んでるって言ってたな。

懐かしむように目を細めていれば、ジャミルが肩をすくめてスタッフを宥め始めた。


「どうぞ落ち着いて。脱出されるにしても、おひとりでは不安でしょう?僕たちに目的地まで警護させてください」

「え……?」

「フッ……俺の目を見たな!『瞳に映るはお前の主人。尋ねれば答えよ。命じれば頭を垂れよ──蛇のいざない(スネーク・ウィスパー)』」


やっぱりジャミルのユニーク魔法は便利だな。

ジャミルの指示に従ってスタッフが扉を開ける。これで行けるところが増えた。

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作者名: | 作成日時:2022年1月31日 0時

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