検索窓
今日:18 hit、昨日:15 hit、合計:19,646 hit

92-3 ページ31

妙な既視感から凝視していると、ルーク先輩は僕にウィンクする。ううん、やっぱり知ってるような……?ジロジロと見る僕を気にすることなく、ルーク先輩はラギーさんのあだ名の話をした。


「それ以来、道端のタンポポすらも命の糧としている彼に敬意を評して『ムシュー・タンポポ』と呼んでいるんだ」

「ラギー先輩、タンポポ食ってたの!?つかそれ、敬意じゃなくね!?」

「アイツ、本当に腐ってなきゃなんでもいいのか。まさか俺にも食わせてねぇだろうな……?」

「ノンノン、毒じゃないんだ。好き嫌いはよくないよ、獅子の君(ロア・ドゥ・レオン)


好き嫌いって問題じゃないような気がするけど。まあ、そんなことはどうでもよくて、オーディションの申し込みしなくていいの?


「……はっ!ルーク先輩のペースに流されてたけど、そんなことよりオーディションの話!」

「そうだった!ハント先輩、僕たち『VDC』のオーディションに申し込みをしたいんですが」

「おっと失礼。話が脱線するのは私の悪いクセだ。キミたちは、ハーツラビュル所属1ーA25番ヒト属の全長172cmエース・トラッポラくんと……同じく1ーA24番、ヒト属173cmのデュース・スペードくん。そしてオンボロ所属のヒト属ユウくんと、ヒト属168cmのAくん、体長約70cmの魔物・グリムくんだね」


つらつらと淀みなく、クラスや出席番号、身長までも言い当てられて寒気がした。狩人として当然だと言うルーク先輩は、低い声でいざという時に困ると目を細める。その目の鋭さでハッと思い出した。
この人だ。僕を遠くから観察していた、あの目。あの目の正体はルーク先輩だったんだ。


「意思表明さえしてくれれば、特に申し込み書類などは必要ないよ。3日後の放課後、ポムフィオーレのボールルームでオーディションを行う。忘れずに来てくれたまえ」

「はーい」

「おい、いつまで俺の席の周りでウロチョロする気だ。さっさと散れ」

「そうだ、レオナくん!キミも『VDC』のオーディションに出場してみないかい?身体能力は申しぶんなし。キミの体格ならきっとダンスも映えるはずさ。よく響く声も素晴らしい」


断ると言ったレオナさんにも耳を貸さないルーク先輩。ある意味勇者だね。

93-1→←92-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
766人がお気に入り
設定タグ:ツイステ , DBD , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年1月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。