【ツイステ】エンティティさまの御心のままに-9-【DBD】 (ページ21)

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あれから数日。昼食を食べに食堂へ向かった僕たちは珍しい光景を目にした。壁際に人だかりができていて、なんだかイソギンチャクを思い出しちゃうな。

「えぇと、『全国魔法士養成学校総合文化祭・「ボーカル＆ダンスチャンピオンシップ」出場メンバーオーディション』……？ああ、総合文化祭で行われる音楽発表会のことか」

「毎年テレビで放映されてたからたまに見てたけど……選抜メンバーって、オーディションなんだ」

へえ、テレビで放映されるくらい人気なんだ。あれかな、歌うま大会とか、そういう感じ？ここから金の卵も発掘されるとか、ああいうのなら人気なのも頷けるかも。

エースくんの声に片耳を向けていると、信じられない言葉が聞こえた。

「『メンバー全員に優勝賞金の500万マドルを山分けいたします』」

「ご、500万マドルを山分け！？」

「そうなんですよ〜！豪華でしょう！？」

「うわっ！びっくりした！」

いきなり出てきた学園長から距離を取る。急に出てきたら誰だってこんな反応すると思うんだ。

どきどきと逸る心臓を押さえていると、学園長が500万マドルのワケを話してくれた。いろんな企業がスポンサーとしてこの大会を支援しているからだって。まあ、そうだよね。金の卵が発掘できるなら、お金なんて惜しまないと思う。

「優勝チームには様々な芸能事務所や音楽レーベルからデビューのオファーが殺到。一躍トップアーティストの仲間入りも夢ではありません」

「学園の名誉のみならず、己の未来をかけた本気のミュージックバトルなんです。より多くの精鋭を集めるためにも、ご褒美は豪華でないとね」

なるほど。まあ、僕はあんまり興味ないかな〜。確かにマドルは欲しいけど、今はそんなに困ってないし。アズール先輩からの私的なお仕事とか、ラウンジでのバイトのおかげでね。
それに、エンティティさまからの仕事が終われば、僕は死ぬか、記憶を消されて元の世界に帰されるかの2択だから、未来なんてここにはない。