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少しの沈黙の後、Aは信じがたいことを言った。
「私目指すよ、ヒーロー」
「……は？」
「じゃけん、ちゃんと頑張る。逃げんよ」
何がここまで少女を変えたのか。その瞳には固い決意が映り、そう簡単に意志は曲がらないのだろう。
口がカラカラに渇いていく。以前なら喜んでとは言い難いが背中を押しただろう言葉も、先日の件を経てしまえば、狼狽してしまう。
ヒーローとは殉職が多い。そして、それを褒め称えられる。嫌な考えがよぎり、思わずAを睨んでしまう。
「理由は」
「怖い顔せんで。相澤が考えとるようなことは思っとらんよ」
「京極ッ！！」
声を荒げ、両肩を掴む。その荒々しさからは普段の彼から想像できないほどだった。痛みで顔を歪めるAに気付いても一切力を緩めず、逃げられないように個性を使用する徹底ぶりだ。
困ったように微笑んだAは、相澤をしっかりと見つめ返す。
「オールマイトが必死で守っとった世界がどんなものか知りたい。それじゃいけん？」
「死なねぇだろうな？」
「分からん。だって平和の象徴サマもあんなんなるけんね」
「……そこは嘘でも死なないって言うとこだろうが」
大きくため息をついて脱力した相澤。Aは不敵に笑って、でもねと言葉を紡ぐ。
「簡単に死んでやらんよ。あれの言いなりになるのは嫌じゃけん」
「信じていいんだろうな？」
「うん。信じて」
そこまで言うのならと頷き、相澤は手を離した。痛かったと文句を言うAは相澤の胸に侵入し、頬を寄せる。幾分か速い鼓動を耳にして笑えば、ぎゅうと抱き込まれた。
「反対はしないが、少しでも危険だと思えば即やめさせるからな」
そう言いながらもそんな時は一生来ないのだろうと分かっていた。それでも保険をかけるように言ってしまうのは、この少女を手放したくないという思いから。
せめて己が死ぬまでは自由に空を飛ぶ彼女を見ていたい。他の誰かのものになろうとも、ただ生きていてくれればいい。
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怜(プロフ) - あのさん» これからいい事が沢山あるはずのなのできっと幸せになれますよ！更新頑張りますね！！ (2021年9月12日 23時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
あの - 夢主ちゃん、つらいだろうなぁ〜ー・゜・(つД｀)・゜・(((最終的には私も泣いていましたw このお話は神作品です!!!! ((上から目線ですみませんｍ(｡≧Д≦｡)ｍ 更新頑張って下さいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! 応援してます(p｀･ω･´q) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 897b0238c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年8月29日 6時
