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振り向いて歩いていってしまうAを、通形は呆然と眺める。引き止めることもできず、宙に浮かんでしまったA。
通形は相澤に目を向けると、首を振られる。ふうと息をついて構えを解いた。
「……とまァ──こんな感じなんだよね！」
雰囲気を払拭するようににっこりと笑い、生徒に向き直る。苦い顔をしたA組は何も分からなかったと口々に言った。
通形が話している間相澤はAを窺う。あれほど楽しんでいたというのに、急にやめてしまったのは何かしら理由があるからだろうと踏んでのことだが、肝心のAは何も話そうとはしない。あれほど燃えていた銀朱は既に凪いだ紫紺に変わっていた。
「京極、もういいのか？」
「うん」
「……そうか」
Aに話す意思がないことを悟り、相澤は前を向く。言いたくなるまで待つというのは本当で、Aは何だかむず痒いような気持ちを持て余していた。どうしてここまで優しいのかと考え、結局はあのナニカが言ったことに辿り着く。
私が生きやすいように捻じ曲げられた人。圧倒的な力の前では無力な、可哀想な人。あれの被害に遭った人。ただそれだけ。
そして、それを甘受してしまう私は、大罪人。
再三噛み締めた言葉は苦い。決してナニカの力だけではないという考えには至らず、Aはただ自分を責めるばかりだ。もし、自分のこの力がなければ、この人は、この世界は歪むこともなかったのに、と。
歯痒い気持ちを抑えて移動を始める生徒に交ざる。
元の在り方に戻すには既に遅すぎた。彼女の存在はこの世界で大きくなりすぎている。彼女がいなくなったとて、残された人は悲しむだけだ。
ある者は焦がれた少女の喪失に苛み、ある者は悲壮感に打ちひしがれ、また住民たちは惜しいヒーローを亡くしたと悲しむ。
死んでハッピーエンドとはなり得ない。それに彼女は気付かないが。
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怜(プロフ) - あのさん» これからいい事が沢山あるはずのなのできっと幸せになれますよ！更新頑張りますね！！ (2021年9月12日 23時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
あの - 夢主ちゃん、つらいだろうなぁ〜ー・゜・(つД｀)・゜・(((最終的には私も泣いていましたw このお話は神作品です!!!! ((上から目線ですみませんｍ(｡≧Д≦｡)ｍ 更新頑張って下さいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! 応援してます(p｀･ω･´q) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 897b0238c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年8月29日 6時
