20-3 ページ3
ぐ、と奥歯を噛み、吠えようとして、思いとどまった。きっと無駄だと悟ったのだ。息をつき、瞬きをして、もう一度口を開く。
「私の過去をどうやって知った？ナニカが教えたん？」
「ふうむ、そのナニカとやらに心当たりはない。そうだ、僕は数ヶ月前興味深い夢を見たんだ」
「夢の話に興味ないんじゃけど」
「まあ、聞いてくれよ。きっと、君が知りたいものの核心だ」
さて、どこまで話したかな。いや、何も話していないか。
いやはや、驚いたよ。僕が夢を見るなんて、久しぶりだったからね。
夢の中は、そうだな。真っ黒だったような気がするよ。いや、真っ白だったかな。なにぶん、その後が衝撃的であまり覚えていないんだ。
そう、僕は1つのモニターの前で座っていた。1人で大きな画面を前に。さながら貸切の映画館だ。
「話が長い」
「ここからが面白いところだ。もう少し聞いてくれ」
しばらくすると、映像が流れ始めた。知らない世界だったよ。行き交う人々は“ただの人”だ。君なら分かるだろう？何も持たない人だ。“個性”がない。それを体現したような平和な世界だ。
そして、君に焦点が当たった。学校へ通う君。家に帰る君。全てコマ送りで流れた。何だか僕が君を監視しているような気分になったよ。全く知らない人を延々と見せられて、どんな意味があるのか考えた。
答えはすぐに与えられたよ。唐突にアラームが鳴り響いて、君の存在を異変だと告げるんだ。何が異変だと言うのか、僕には皆目見当が付かなかった。何せ君も、“ただの人”だ。何も異変が見当たらない。
モニターの全てが知らない文字で埋め尽くされても、僕には分からないまま。置いてけぼりを食らった気分だった。ああ、でも、どうも親切でね。すぐに僕が知っている文字に切り替わったよ。
なんて書いてあったか知りたいかい？
世界を壊す力を検知。至急対応すること。
能力：大罪と命名。7つの力をまとめたものと推測。
接近し、力を解明後、対処願う。
多少の被害は仕方ないものとする。
何とも不思議なものだよ。僕が世界を管理していたなら、こんな感じになるのかな。いや、僕は世界が壊れようとも気にしないから、こんな通知は来ないだろうね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 789人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - あのさん» これからいい事が沢山あるはずのなのできっと幸せになれますよ！更新頑張りますね！！ (2021年9月12日 23時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
あの - 夢主ちゃん、つらいだろうなぁ〜ー・゜・(つД｀)・゜・(((最終的には私も泣いていましたw このお話は神作品です!!!! ((上から目線ですみませんｍ(｡≧Д≦｡)ｍ 更新頑張って下さいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! 応援してます(p｀･ω･´q) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 897b0238c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2021年8月29日 6時
