22-7 ページ15
もぞもぞと腕の中に抱え込んでいた少女が動いて、ホークスは目を覚ました。薄目で窺うと、少女は穏やかに寝息を立てている。時計を見てきっかり1時間経っているのを確認すると、ホークスは起きあがろうとして、ぎゅうと服が握り締められていることに気づいた。
思わずニヤけてしまい、誰に見られているわけでもないのに口元を隠す。それでも起きないわけにはいかず、ゆっくり手を外せば、Aは目を覚ました。
「おはよ」
「んん……もう起きるん？」
「俺はね。まだ寝ててもいいよ」
首を振って体を起こしたAは、その状態でこくりこくりと船を漕ぐ。ホークスは笑い声を上げて、Aを抱えた。
剛翼でカーテンを開き、扉を開ける。素直に腕の中に収まっている少女の頭に頬擦りをして、優しい声色で問いかけた。
「朝ごはんは？食べる？」
「……いらん」
「そっか」
そのまま洗面台に行き、交代で顔を洗って歯を磨く。ようやく目が覚めたのか、Aは着替える、と言って浮いていってしまった。ニコニコと笑いながら、ホークスはその後ろ姿を眺める。
新婚やったらこげん感じかな。ばりあいらしかね。
付き合ってすらいないのに、そんなことを考えながら髪を整えた。鼻歌でも歌い出しそうなホークスを見て、出勤したサイドキックはドン引きする。
「ホークス、気持ち悪か」
「いやー！聞いてくれます？」
「嫌ばい」
「えー、ひどいなぁ」
ケラケラと笑い、ホークスは自分の身支度をするために部屋に戻った。手早くコスチュームに着替えて、今日の予定を確認する。スマホでニュースを流し見しながら部屋を出れば、Tシャツ短パンというラフな格好をしているAが通りかかった。
惜しげもなく太ももを晒して、細い足首を隠すようなハイカットのスニーカー。心の中で親指を立てたホークスは、今日の予定にAの服を買うというタスクを詰め込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 789人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - あのさん» これからいい事が沢山あるはずのなのできっと幸せになれますよ！更新頑張りますね！！ (2021年9月12日 23時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
あの - 夢主ちゃん、つらいだろうなぁ〜ー・゜・(つД｀)・゜・(((最終的には私も泣いていましたw このお話は神作品です!!!! ((上から目線ですみませんｍ(｡≧Д≦｡)ｍ 更新頑張って下さいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! 応援してます(p｀･ω･´q) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 897b0238c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2021年8月29日 6時
