20-2 ページ2
翌日の午後。相澤が運転する車の後部座席で何とも言えない表情をしているA。その隣には根津とオールマイトがいた。
「なんで貴方まで来るんですか、オールマイトさん」
「なんでってオール・フォー・ワンは私の宿敵だからね」
「……そうですか」
相澤が珍しく気を使って会話を振るも、長くは続かず、沈黙が流れる。ピリピリとした雰囲気を纏っているAが口を開いたのは特殊拘置所、通称タルタロスが目の前に見えてきた頃だった。
「誰も、一緒に来んで。私があいつと話す」
「しかし、京極少女」
「来んで。どうせ聞いても分からんでしょ」
冷たく突き放すような言い方に、オールマイトは言葉に詰まり、そして頷く。聞いても分からない。その言葉は本当のことであった。しかし、知りたいと思うことの何が悪いのだろう。
厳かで厳重な門を通り、厳しいチェックを受ける。文句を言うこともなく、Aはそれを受け、警備員について行った。残された3人は別の警備員についていき、面会を見守ることとなった。
少ししてAが面会室に入る。分厚いガラス越しに目が合った瞬間、オール・フォー・ワンは嬉しそうに声を上げた。
「応えてくれないと思っていたよ、大罪人。さあ、座ってくれ。話をしようじゃないか。ああ、すまないね。ここでは飲み物の1つも用意してやれないんだ」
「いらん」
「おっと、何か気に障ったかな？」
目が合うというのは比喩だ。何せオール・フォー・ワンは目が視えない。しかし、彼に目が合ったなら、きっとそれを輝かせて彼女を視ていることだろう。
音もなく椅子に座ったAは鋭く前を見据える。隣の部屋に待機している教師陣は息を呑んだ。ひどく不安定だと思うのだ。彼女の紫紺の瞳がチカチカと瞬いて、次々と色が変化する。
「どうして、知ってる？」
「正鵠を射ない言い方だ。何を言いたいんだい？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 789人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - あのさん» これからいい事が沢山あるはずのなのできっと幸せになれますよ！更新頑張りますね！！ (2021年9月12日 23時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
あの - 夢主ちゃん、つらいだろうなぁ〜ー・゜・(つД｀)・゜・(((最終的には私も泣いていましたw このお話は神作品です!!!! ((上から目線ですみませんｍ(｡≧Д≦｡)ｍ 更新頑張って下さいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! 応援してます(p｀･ω･´q) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 897b0238c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2021年8月29日 6時
