番外編【本日の主役へ】 ページ17
side：A
＊＊＊
日付が変わる前、こっそりとアズールの部屋に向かう。本当は朝になってから行こうと思ってたんだけど、アズールに来てほしいって言われたから。誰にも見つからないように気を付けてって言われたけど、別に見つかっても構わないのに。
鍵がかかっていないドアを開けてするりと身を忍び込ませる。すると、アズールは持っていた本を閉じた。
「A、待ってましたよ」
「お待たせ。どうしたの？」
「もうすぐ僕の誕生日になりますから。あなたに一番に祝ってほしくて」
なるほど。そういうことか。
ソファーから手招きするアズール。近寄って隣に座ろうとすれば、膝の上に乗せられた。首を傾げる俺を見上げて、アズールは笑う。白い指を口元に置いて俺の頭を引き寄せた。
「せっかくの誕生日なんです。Aからのキスをください」
「……誕生日じゃなくてもするのに」
「ふふ。特別なキスがほしいんですよ」
特別って……。どうすればいいか分からないんだけど。
とりあえず、いつもしてくれてるようにキスをする。首に腕を回して覆いかぶさるように口を重ねて、舌で唇をノックした。それから舌を差し込んで絡ませていれば、甘噛みされてじゅると吸い上げられる。
少し目を開けてアズールを見下ろすと、やけに嬉しそうで。俺も嬉しくなって微笑む。
「もっとキスしてください」
「ん、息、できなくなる…から……」
「構いません。僕が満足するまでキスしましょう」
本当に窒息してしまうくらいの長い口付けをして、ようやく離れれば呼吸を整えるために深呼吸をする。その間にもアズールは耳にキスをして舌を這わせてきた。
ぞわぞわと背筋に甘い痺れが走って仰け反る。
「ねえ、僕の誕生日を迎えましたよ。プレゼントをください」
「部屋にあるから、取ってこなきゃ」
「……ここに、あるじゃないですか」
首を傾げた。何を、と言いかければまたキスされる。短いキスを何度も落としながら抱き上げられて、ようやくその意味を理解した。
待って、と制止をかけてもアズールは止まらない。優しくベッドに下ろされて目をさ迷わせることしかできなかった。
「ね、ここにあったでしょう？」
「……用意してるのに」
「それももらいます。今はAをください」
おそるおそる見上げると、優しく微笑まれる。小さく頷いて腕を回した。
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怜(プロフ) - ミルクショコラさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます〜！赤面に関しては人それぞれなので新たな知識と言えるかどうかは分かりませんが… (2021年3月30日 0時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - あと、自分あんまり赤面とかしないので、あ、耳の後ろから熱広がるんだなぁとか思ってました。新たなる知識を得ました。← (2021年3月27日 22時) (レス) id: 2e73fce6ea (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - わぁぁ…え、ちょ、やばぁ…ｽｯ好きです！！！(大声)この作品を読んでいてめっちゃにやけてしまった…なんか、ホントに好きです。(語彙力)ありがとうございますｯｯｯ！！！ (2021年3月27日 21時) (レス) id: 2e73fce6ea (このIDを非表示/違反報告)
ライカ(プロフ) - こちらこそ！ありがとうございました！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 6cbc74f1c3 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ライカさん» リクエストありがとうございました〜！ (2021年3月12日 19時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年2月3日 0時
