＊＊＊ ページ24
ボールルームに怒声が響く。帰ってきたデュースたちを早々に襲ったのはヴィル・シェーンハイトの雷だった。
欠伸をしながら見ていれば、どこかスッキリとした面持ちをしている2人。
「それに、今日、やっとわかったんです。ヴィルサンがずっと言ってた、
「！」
「心のどこかでずっと『綺麗』とか『可愛い』にこだわってる奴らのことをバカにしてた。でも、ヴィルサンが、地元の林檎ジュースを紹介してくれて……村のみんなが大喜びで……ヴィルサンの言う“強さ”の意味が、やっとわかった気がするんです」
強さ、ね。いろんなベクトルがあるから、一概には言えないよな。
どんなものでも、それを駆使して一番になれたのなら、それは強さだし。たとえ、一番になれなくても折れないのなら、それも強さだ。
そもそも1つに絞ることができないものなんだから。
「フッ………アタシはね、エペル。人を跪かせるのが好きよ。暴力より圧倒的に、演説より雄弁に人を跪かせることが出来る力……それが“美しさ”」
「だからアタシは誰にも負けないように美しさを研ぐ。世界で一番になるためにね」
「アンタは幸運にも愛らしさという刃を持って生まれたわ。それを研ぎ澄ますか、錆びつかせるかはアンタ次第なの」
まあ、容姿は1つの武器だよな。そう呟けば、グリムが膝に乗る。見下ろすと、目を見開いてオレを見ていた。
「目が乾くぞ」
「……やっぱりAは変わったんだゾ。なんかツヤツヤしてるんだゾ」
「つやつや？どういう……？」
「恋する乙女は可愛くなるって言うでしょ？そういうことよ」
ヴィル・シェーンハイトが座っている俺を見てそう言う。馬鹿馬鹿しいって一蹴しようとすれば、グリムは納得していた。
鵜呑みにするのか？俺は女性じゃないから、可愛くならないのに。
苦い顔をする俺を見て、グリムはにぱっ、と笑う。
「Aにはツガイが3人いるから、3倍可愛くなるんだゾ！」
「さあ、どうかしらね。相手が人魚ということを考えると、3倍で済むはずがないわ」
「……やめてくれ」
居たたまれなくなって消え入りそうな声で呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - もち。さん» 実は仲良しさんなんです。本編には全く出てこない設定でした。3人はやきもち焼いてますが、マクミランくんには言っていないという……。今度書いてみようと思います！続編でもよろしくお願いします！ (2021年2月3日 0時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - ツノ太郎とも仲良し！！あの三人がまた嫉妬しちゃう！！でもそんな様子がみたい！！！とはしゃいでしまいました笑マレウスはそんな様子を興味深そうにみてそう…続編も楽しみです。長いの大好物なので寧ろ嬉しいです！気長にお待ちしてます！ (2021年2月2日 8時) (レス) id: 8c9f19759d (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - くっは！さん» ありがとうございます！！更新頑張りますね！ (2021年1月12日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
くっは！(プロフ) - ぐっ………す"き"た"あ"あ"あ"あ!!!!!続編おめでとうございますっ!!!! (2021年1月8日 22時) (レス) id: 4461b1fc8d (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - にょるさん» かなり長かったと思いますが、お疲れ様です。尊敬だなんて照れますね！ありがとうございます〜！更新頑張りますね！ (2021年1月4日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2021年1月2日 2時
