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ルーク先輩とジャミル先輩がそんなことを話しているのを聞いて、改めてAさんを見る。
だから、ヴィル先輩はAさんのタバコを消そうとしているんだ。でも、すぐに火をつけられちゃうし、キリがないよね。タバコが途切れたところは見たことないから、あのタバコもいっぱいあるのかな?
水浸しになったタバコはあちこちに捨てられて、地面に落ちると光になって消えた。あのタバコも魔力でできてるのかな?だから尽きないのかも。
「そろそろ終わらせないとボールルームが崩壊しますね」
「そうだね。しかし、この戦いをずっと見ていたいとは思わないかい?」
「それはそうですが。……今止めるとAも怒るだろうな」
「ふふふ。本当にAくんは戦うのが好きだね。狩人としてとてもそそられるよ」
そんなこと言ってる場合なのかな?このままだと僕たちもろとも壊れちゃうんじゃない?
ああ、でも。またお遊び止められたって拗ねられちゃうのは嫌だな。また話してくれなくなっちゃう。
どうしようか。ここは一つ……。
「エース、お願いがあるんだけど」
「やだね。オレだってA先輩の怒り買うのはごめんだし」
「このままだとエースも灰にされちゃうよ?」
「そんときは逃げるから。監督生置いて真っ先に逃げるから大丈夫」
全然大丈夫じゃないんだけど。なにそれ、マブ置いて逃げるって。ひどすぎない?
そう言ってエースを軽く睨むと、カラカラ笑いながら手を振られた。
「監督生はA先輩のこと大好きだから、本望だろ?」
「そういうことじゃないんだけど!僕だってまだ死にたくないよ!」
「なぁにコソコソ喋ってんの?」
愉悦に塗れた声が後ろから聞こえる。ひ、と息を呑んだ。
なんで?さっきまで楽しそうに戦ってたのに……。
「全く。キリがないわ」
「わざと負ければ良かっただろ?」
「アタシにもプライドっていうものがあるのよ。わざと負けるなんて美意識に反するわ」
「さすが、ヴィル・シェーンハイト。結構楽しかったよ」
「嘘おっしゃい。かなりの間違いでしょう。アタシを引っ張り出しておいてそんな評価は認めないわ」
楽しそうに笑いながら、Aさんはマジカルペンを振るった。瞬く間にボールルームは片付けられて、戦跡は跡形もなくなる。終わったんだ、と呆然としていると、苦いにおいが鼻腔をついた。
「喉渇いた」
「は、はい!」
「ありがと」
へにょ、と垂れた眦。いや、満足そうなAさん可愛すぎませんか?
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怜(プロフ) - もち。さん» 実は仲良しさんなんです。本編には全く出てこない設定でした。3人はやきもち焼いてますが、マクミランくんには言っていないという……。今度書いてみようと思います!続編でもよろしくお願いします! (2021年2月3日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - ツノ太郎とも仲良し!!あの三人がまた嫉妬しちゃう!!でもそんな様子がみたい!!!とはしゃいでしまいました笑マレウスはそんな様子を興味深そうにみてそう…続編も楽しみです。長いの大好物なので寧ろ嬉しいです!気長にお待ちしてます! (2021年2月2日 8時) (レス) id: 8c9f19759d (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - くっは!さん» ありがとうございます!!更新頑張りますね! (2021年1月12日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
くっは!(プロフ) - ぐっ………す"き"た"あ"あ"あ"あ!!!!!続編おめでとうございますっ!!!! (2021年1月8日 22時) (レス) id: 4461b1fc8d (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - にょるさん» かなり長かったと思いますが、お疲れ様です。尊敬だなんて照れますね!ありがとうございます〜!更新頑張りますね! (2021年1月4日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2021年1月2日 2時