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side：A
＊＊＊
大きな手が頬を撫でる。なぁにって擦り寄ると、笑い声が降ってきた。
「起きてよぉ、トビウオちゃん」
起きてますよ、目を開けてないだけで。もうちょっとだけ寝ましょうよ。
薄目を開けてもう一回胸元に顔を埋める。後頭部をくしゃって撫でられて居心地の良さに頬を緩めた。
あったかい。いつもなら冷たい手も人と同じ体温を持っていて、それで優しく撫でられると嬉しくなる。だから、もうちょっとだけ。
「もうお昼だよ？ご飯食べないの？」
「Aさんはまだ起きないんですか？」
「そー。見てみて、ジェイド。一生懸命くっついてくんの。かぁわいい」
「おやおや。警戒心の欠片もありませんね」
うるさぁい、と舌足らずな言葉を発して布団を引き上げた。くすくす笑う声が2人分に増えて。困りましたね、困ったね、なんて言ってるけど絶対思ってないでしょ。
「休日だからと言ってお寝坊はダメですよ」
「んふふ、オレがお世話してあげよーか？」
「んぅ……？まぶし……なんですか…？」
布団を引っぺがされて寒さに身を縮めようとする。それなのに、どうしてだか足が動かない。
「あし……あれ？」
「ン？ああ、尾ビレ？すーぐ丸まるからオレがぎゅうってしといたよ」
「おびれ……ぅ、わ…」
ぐっと引き寄せられて脇に手を差し込まれた。そのまま抱き上げられて寝ぼけたまま、洗面所に。
顔を洗って歯磨きをしていると、だんだんと頭が覚醒してくる。ズレているTシャツを直してふと首を傾げた。首元に見覚えのない赤い痕が二つ、さも当然と言わんばかりに鎮座している。
なにこれ？虫刺され？オクタヴィネル寮って海の中にあるのに、虫なんかいるのかな？触ってみても痒くないし。
変なのって思いながら、うがいをして。終わった？って聞きながら顔を覗かせるフロイド先輩に頷けば、ひょいっと抱き上げられる。
「お腹空いてる？」
「あんまり空いてないです」
「そっか。まあ、ジェイドがコーヒー用意してるから、飲んで待ってて」
ソファーに座らされた途端ジェイド先輩がコーヒーを机に置いた。それから頭を撫でられて慈しむように目を細める。
「稚魚でもこんなに手はかかりませんよ」
「遠回しに僕が赤ちゃんだと？」
「寝起きの貴方は素敵ですね」
誤魔化された……。何が素敵ですね、なの。意味が分からないよ。
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怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございます！自分の手の中にあるとなお愛おしくなっちゃうんでしょうね……更新頑張りますねー！ (2020年12月29日 1時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - フロイドに抱きこまれて一緒に寝ちゃうの可愛いかよ…っ！と思わず顔面を覆いました笑お気に入りだからエンティティ様の加護じゃなくて自分の手で護りたいのかい？フロくん…獲物は逃さないでね…更新楽しみにしてます！しかしながら無理はなさらず！応援してます！ (2020年12月26日 22時) (レス) id: 2eef4b8e10 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - yozakura5011さん» ありがとうございま〜〜〜す！！ (2020年12月24日 14時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
yozakura5011(プロフ) - とても・・・とても好きです・・・（鼻血） (2020年12月21日 0時) (レス) id: 87d7c098c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年12月12日 1時
