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増えた。ジンジンと痛む首を押さえながら、紫の綺麗なシャツが赤く染まっていくのを視界の端で捉える。
「消えたらつけるって言ってませんでした？」
「そういう気分だったんだから、仕方なくね」
いつか見た薄緑の液体がぽちゃぽちゃと目の前で揺れた。憎たらしい。ああ、本当に憎たらしい。僕とエンティティさまを引き剥がすそれ。
親の敵を見るように睨みつけていると、それはフロイド先輩のジャケットの裏ポケットへ隠れてしまう。あの薬だけ購買部で買い占めてしまおうか。そうしたら、こんなこともなくなるかもしれない。
前みたいに手当をしてくれるフロイド先輩。こんなことするくらいなら、初めから噛まなきゃいいのに。滲んだ視界で優しげな手を追う。
「これ、全身にかけたらどうなっちゃうかな」
フロイド先輩はジャケットの上から忌ま忌ましい不干渉薬を撫でた。どうなるかなんて火を見るより明らかだ。
僕はエンティティさまの加護を受けれなくなる。身体能力とかにも影響が出てしまうだろうね。この体はエンティティさまからもらい受けたものだし、もしかしたら体を保てず消えてしまうかもしれない。
考えたくないことだ。
「試していーい？」
「ダメに決まってるでしょう！死んだらどうしてくれるんです！？」
「え、トビウオちゃん死んじゃうの？え〜、そっかァ」
じゃあやめるって言ってフロイド先輩は踵を返す。首だけで振り向くとついてくるように言って、ゆったりと足を進ませた。
渋々ついていくとスタッフルームに押し込まれる。血のついたワイシャツから着替えるように言って、自分のロッカーを漁り始めた。
素早く着替えてネクタイを緩く締める。あとは帰るだけだから、少しくらい着崩したって大丈夫。
「あー、あったあった。はい、これ」
「え、これって……」
「スマホ。連絡取れねーの不便じゃん？アズールが用意してくれたよ」
「な、なんで……料金とか……」
「給料から天引きしてるらしいから、ヘーキじゃね？」
なんとも言えない気持ちになって口を結ぶ。天引きしてるんだ……。いや、スマホがもらえるならいいけど。
というか、なんで先輩のロッカーに？こういうのってアズール先輩から直々に渡されるものじゃない？
いや、もうなんでもいいか。もらえるならもらっておこう。
ありがとうございます、と言って、スマホを握った。
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怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございますー！この3章でぐぐっとレオナさんとの距離が縮まることでしょう、きっと。バトルはお楽しみに！なるべくかっこよくします！ (2020年12月11日 0時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 意外とレオナさん狂信者くんのこと気に入ってて読んでいてにやにやが止まりませんでした。リーチ兄弟と狂信者くんのバトルも気になる…っ！不干渉薬をどうクリアするんだろうか…続きを楽しみにしてます！ひそやかに応援してます。 (2020年12月9日 19時) (レス) id: 2eef4b8e10 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - MAERさん» ありがとうございま〜す！狂信者は何をやらせても楽しいですね……更新頑張ります！ (2020年10月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございます！絶対言わせるぞという強い意志を持っていたので言ってもらっちゃいました〜！エンティティさまバンザイ！求愛ネタも書きたかったので……喜んでもらえて良かったです！もち。さんもご自愛くださいね。更新頑張ります！ (2020年10月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 続編おめです！夢主の性格どちゃくそすこ、、、((やっぱり狂信者は最高ですね、、！ これからも頑張って下さい、！応援してます！ (2020年10月10日 19時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月10日 1時
