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side：アズール
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目の前でワイシャツを脱ぐAさん。完成した魔法薬を試す、とは言いましたが。あっさりと脱いでしまうAさんには危機感が足りないようです。いえ、僕たち限定だと言うのなら、何も言いませんが。
身体についた、痛々しい傷痕の数々。喉に言葉が張り付いて、何も声にならなかった。いつもなら、スラスラと言葉が出るのに。こういうときだけ、僕は……。
ああ、反省はあとにしましょう。今はAさんの綺麗な身体を取り戻すことが優先です。
火傷の痕には紫の魔法薬を。痣にはこの黄緑の魔法薬が合うはずです。粘度が高いそれを傷痕に塗る。触れた身体はきちんと熱があって、この人は生きているのだ、と実感させられた。
こんなに傷だらけでも、生きているんですよ。化膿して死んでもおかしくなかった劣悪な環境で、彼は生きてきたんです。
お涙頂戴の演劇とは違う、正真正銘彼が生きてきた証。それを消してしまうのは少し心苦しいですが。この傷と同じように、酷い過去も消えてしまえ、と願ってしまう。
僕たち以外につけられた傷痕なんて、Aさんには不必要です。
「これって毎日塗った方がいいやつ？」
「そうですね。手が届かないところは手伝いますよ」
「そっか。じゃあ、頼む」
手早く魔法薬を塗り終えて、包帯を巻く。魔法薬が服については困るでしょう。そう言えば、お礼を言われた。
お礼なんて良いんですよ。僕たちが好きでやっていることですから。これは僕たちのためでもあるんです。Aさんには分からないでしょうけど。
「お風呂から上がったらこちらの魔法薬を。保湿効果もありますから、すぐに傷痕は消えますよ」
「助かる。ありがとう」
「いえ。元はといえば、フロイドが暴いてしまった秘密です。部下の不始末は上司が片付けるものですから」
「俺はあんまり気にしてないけど」
なんてお優しいんでしょう。フロイドを許して、その上秘密を僕たちと共有してくれるなんて。これも、今まで築いてきた関係のおかげでしょうか。
僕たちは徐々に薄まっていく傷痕を見ながら、優越感に浸るんですよ。あなたを縛るものを1つ消せた、と笑いながら。
ああ、どうか、気付かないでくださいね。
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怜(プロフ) - リザさん» ありがとうございます！！気をつけますね！ (2020年7月10日 15時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
リザ - 色々疲れて体調崩さないようにしてください(>_<) (2020年7月10日 12時) (レス) id: 5d727ab8ad (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - Rioさん» 良かったです！！私も書いててちょっと楽しくなってしまいました……リクエストありがとうございました！更新頑張ります！ (2020年7月10日 11時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - ﾝﾝﾝ！とてつもなく良かったです！！マジで！リクエストに応えてくれて本当にありがとうございます！もう男主、尊い。ゲームに出てきてくれないかな(笑)これからも頑張ってください！ (2020年7月10日 7時) (レス) id: a03ea3f041 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - うまるんさん» こちらこそありがとうございました！気に入っていただけて良かったです！テスト勉強お疲れ様です。ご自愛くださいね。更新頑張ります！ (2020年7月10日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月28日 0時
