魔力よりタバコをくれ 三本目【ツイステ】

＊＊＊ ページ40

「君たちには水の中で呼吸が可能になる、こちらの魔法薬を差し上げます。海の魔女も、人間に恋した哀れな人魚姫に陸を歩ける足をつけてあげたそうですから」


大切なのは慈悲の心です。にっこりと笑い、契約書を取り出す。
机に置いて、ペンを指さした。


「さあ、どうします？僕と取引し、契約書にサインしますか？僕もヒマではないんです。早く決めてください。さあ……さあ！」

「……契約します！」

「いいでしょう！では、この契約書にサインを」


やりました！これで、これで……！
契約は結んだ。あとは邪魔をするだけ。お願いしますよ、ジェイド、フロイド。

二人に目を移すと、頷く。


「3日後の日没までに、アトランティカ記念博物館から写真を奪い僕の元に戻ってくることができれば、僕の下僕である225名のイソギンチャクの自由を約束しましょう」


でも、もし奪ってこられなければ……。オンボロ寮は僕のもの。そして、あなたはいなくなってもらいますけど。

微笑む。誰よりも幸せだと、今なら言えるでしょう。
計画は順調に進んでいく。全ては思い通りに。


「もし、条件を達成できたら、Aさんを返してください」

「はあ？……あなた、今何を？」


人間が巫山戯たことを。ああ、Aがいるこの場でそんなことを言うのですか。バカを通り越して脳みそがないのかと思いましたよ。

Aは縛られるのが嫌いなんですよ。そんなことを言ってしまっていいと思っているんですか？やはり、この人間は頭が足りないようだ。束縛されている、と感じさせてしまった時点でダメなんですよ。


「今、なんて言った？」


ああ、眠れる海のギャングが起きた。

海のギャングと大丈夫→←＊＊＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す