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大きくため息をついて、人間を睨むように見る。
「さて、監督生さん。あなたは生徒たちを自由にしてほしいと言いますが。僕は彼らに不当な労働をさせているわけではありません」
ただ、契約通りに扱っているだけですよ。条件を達成できなかった愚か者はそれ相応の末路が待っているもの。それを理解せずに僕と契約を交わした方が悪いのです。
「『契約』は“可哀想”だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃあないんですよ。つまり、一昨日お越しください。……ということです」
「だったら、自分も取引します」
ええ、ええ!待っていました、その言葉を!
物分かりが悪い異世界人でも、たまには良いことを言うものです。順調に進んでいく計画。ここまで順調だと怖くなりますね。
ふふ、と笑みがこぼれる。まだ計画は成功したわけでもないのに、僕らしくもない。
息を吸って、落ち着いて口を開いた。
「ほう、僕と取引をしたいと?面白いことを仰る」
「あはっ。小エビちゃん、度胸あるじゃん」
小エビ……?フロイドがそうあだ名をつけたのなら、構いませんが。少々気味が悪い。企むのはいいですが、そのあだ名には好感が持てませんよ。
どうせ、ジェイドにも窘められたでしょうが。やめない、ということは意味があるのでしょう。それなら、放っておけばいい。
いけない、また思考が飛んでしまった。はやくお帰り願いたいので、話を進めましょうか。
「……ふぅむ。あなたが僕と取引したいのは分かりましたが……。しかし困りましたねぇ。確か監督生さんは魔法の力をお持ちでない」
Aと違って、特筆できる能力もない。ごく普通の人間がどんな担保を差し出せるのでしょう。
一つしかないですよね。ですが、あれはAの寮なので、一応許可は取らないといけないでしょう?
ジェイドに合図して、Aを呼んでもらう。Aなら、良いと言うでしょう。もう、あそこに帰る必要はないのですから。
「それだけ大きなものを望むのでしたら、相応の担保が必要です」
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怜(プロフ) - ララーサさん» ありがとうございます〜!更新頑張りますね! (2021年1月6日 17時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ヤンデレ最高♪僕的にはもっと狂ってほしいですね♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ズブズブ、オクタ色に染まっていくのを見るのちょー楽しい♪男主君の性格が悪くなるのも面白すぎ♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - パーソナリティーは殴りあわない!!さん» ありがとうございます!!更新頑張りますね! (2020年9月3日 19時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
パーソナリティーは殴りあわない!! - えー!待って最高控えめにいってもどう足掻いても最高大好きです!応援してます!!! (2020年9月3日 7時) (レス) id: 0f8c4e7ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年6月6日 15時