気遣いと雑魚寝 ページ1
side：A
＊＊＊
その日はオクタヴィネル寮に泊まった。三人ともずっと俺を気遣うから、くすぐったい気持ちになる。叩かれたくらいで大袈裟だと笑うと、三人はとんでもない、と言った。
「僕たちはAの好意を踏みにじったあの人間が許せないだけです」
「異世界飛ばされて不安なのは仕方ねーと思うけどさぁ」
「思い通りにならないだけで暴力を振るうのはいかがかと思いますね」
「アズール、それ、オレに喧嘩売ってる〜？」
フロイドが茶化すと、やれやれ、とアズールが首を振る。
そういうフロイドは最近そういうことをしなくなったけどな。たま〜に、俺の悪口聞いたからって殴りに行ってるけど。気分がのらないって人を殴ることはなくなった。
俺の悪口くらいで、とか思うけど。嫌じゃないから、止めるのはとっくのとうにやめた。それに、褒めて、みたいな勢いで来られると叱れなくなるんだよな。
だいぶ、絆されたみたいで。でも、それも嫌じゃない。
「あ、そーだ。オレ、今日シャチちゃんと寝る！」
「狭くなるだろ」
「いーの！一緒に寝よ？」
お願い、と揺さぶられると何も言えなくなる。助けを求めて、ジェイドに目をやってもニコニコ笑うだけ。アズールも見ても、考えごとをしているみたいで、目は合わない。
「狭いのが嫌なら、床に布団を敷いてみては？」
「あ、じゃあ。みんなで寝れんじゃん」
「いいですね」
お泊まり会みたいだ。まあ、実際そうなんだけど。
わいわい楽しそうに寝る場所を決める三人。楽しそうなら、まあいいか。
タバコを吸いながら、三人を眺める。こうやって見てると、普通の男子高生なんだよな。店経営したりとかして、あんまり高校生らしくないけど。
なんだかまざりたくなって、タバコを消して三人の背中に飛び込んだ。
「寝る場所決めるのまーぜて」
「Aは真ん中でしょう？」
「オレ、シャチちゃんのとーなり！」
「それはじゃんけんですよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - ララーサさん» ありがとうございます〜！更新頑張りますね！ (2021年1月6日 17時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ヤンデレ最高♪僕的にはもっと狂ってほしいですね♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ズブズブ、オクタ色に染まっていくのを見るのちょー楽しい♪男主君の性格が悪くなるのも面白すぎ♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - パーソナリティーは殴りあわない！！さん» ありがとうございます！！更新頑張りますね！ (2020年9月3日 19時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
パーソナリティーは殴りあわない！！ - えー！待って最高控えめにいってもどう足掻いても最高大好きです！応援してます！！！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: 0f8c4e7ebd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年6月6日 15時
