魔力よりタバコをくれ 二本目【ツイステ】

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「それにさ、学園長」

「なんですか？」


不思議そうにしている学園長。


「俺の遊び(・・)止めたこと、まだ許してないんだよね」

「あー、悪趣味ですよ、貴方」

「学園長には負ける」


それを理由に、監督生のお世話をちょっとやめるだけ。

それに、フロイドが『人間の世話焼き一から十までしてるからストレス溜まるんだって。ちょっとくらい投げ出せばぁ？』って言ってたし。だから、世話焼くのは寮内のことだけにする。
学園生活にまで手は伸ばさない。ベストはせめてもの情けってこと。

俺には俺の交友関係があるし。監督生には監督生の交友関係を築いて欲しいし。win-winかなって。


「本当に貴方は……。出会った頃はまだ優しかったのに、すっかりオクタヴィネルらしく……」


よよよ、と泣き真似をする学園長。
慈悲深くなったってことだろ。褒め言葉だね。

A・マクミランに関わるなって有り難い噂があるのに。監督生に甘くしてたら、舐められちゃうじゃん。嫌だな、俺。
せっかく厄介事が減ってるんだから、そのままがいい。ちょっと周りの目が気になるけどさ。


「とはいえ、監督生くんの交友関係を広げるにはそうした方が良いですね。そのうち、監督生くんに関わったらAくんがやってくる、なんて噂が流れそうですし」

「不憫だな」

「ええ。それに、貴方がこれ以上監督生くんのお世話をすると、監督生くんも消されそうな勢いですからねえ」

「は？」


意味が分からなくて、首を傾げる。誰が監督生を消すんだよ。俺を妬んでるやつら？ありえるな。
でも、そんなことしたらどうなるか、あいつらが一番分かってるだろうし。まあ、応酬する気はないんだけど。


「おや、なるほど。彼らも素晴らしい手腕をお持ちのようです」

「なにが？」

「いえいえ。学園長の独り言だと思ってください」


そう言ってカップを傾ける学園長。誤魔化されてるな、と思いつつ、面倒になって問い詰めるのをやめた。

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