魔力よりタバコをくれ 二本目【ツイステ】

おかえりと仲直り ページ28

side：A

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オンボロ寮に入ると、おばけたちが迎えてくれる。
たまにフラッといなくなったりする俺のことは全く心配していなかったけど。慣れた、と言うおばけたちは、監督生がすごく心配していた、と口々に言う。

慣れない料理で手を切りそうだった。グリムが迷惑をかけていた。洗濯物はきちんとできていた。

おばけたちが話すことを聞きながら、夕飯の支度をする。


「そういえば、手紙が2通くらい来てたんだけどよ」

「ありゃ、誰が出したんだい？」

「どーせ、お前さんは寝込んでたんだろ？」


後ろから手元を覗き込みながら、おばけがそう言う。差出人も書いてなくて監督生が首を傾げてた、らしい。

たぶん、アズールだろうな。フロイドは面倒くさいって言って、書かないし。ジェイドはそんな義理はないって突っぱねるだろうし。

でも、良かった。一応事情は知ってるってことだろ。1から説明しなくてもよさそうだ。


ある程度支度が出来たら、お風呂の準備をする。着替えとバスタオルを持って風呂場に向かうと、ドアが開く音がした。帰ってきたんだろうな。


「おかえり」


いつも通り、廊下に顔を出してそう言えば、監督生は目がこぼれ落ちそうになるほど俺を凝視する。次の瞬間、顔をくしゃくしゃにして飛びついてきた。


「Aさん！ごめんなさいぃぃ！」

「俺も、ごめん」


背中を擦って謝る。呆れた顔をしているグリムを抱え上げて、監督生を引き摺りながら、談話室へと向かった。

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