契約書の破棄と対価 ページ20
「それで対価にこの建物をもらった、と」
「ええ。売上の10％を上納する、という条件もつけましたので、邪魔はされませんよ」
ふふふ、と悪い笑みを浮かべるアズール。とはいえ、まだ改修が必要そうな建物だ。
資金繰りはどうするつもりなんだ？
俺の疑問に気づいたのか、アズールはにっこりと笑ってみせた。
「なんのためにあなたを連れてきたと思っているんです？」
「あ？あー、なるほどね」
「とはいえ、タダ働きさせるわけではありません」
これを、と差し出されたのは見覚えのある書類。
あー、めっちゃ見たことあるな。フロイドがよく持ってるやつだな。何回も破いた気がするな。
そう、転寮届だ。あとは俺のサインだけで転寮できるように記入済み。抜かりないやつだ、と笑ってそれを破く。
「っ！？何故です！？」
「俺、結構あそこ気に入ってるから」
固まってしまったアズールを放っておいて、タバコを取り出す。どこからともなく現れた双子は楽しそうにアズールを突いた。
あーっと、設計書かなにかあるかな。それ通りにしとけば、問題ないだろ。
机の上にある書類を漁って、それらしいものを見つける。
水槽、机、椅子、照明。さすがに魚とかは用意できないな。キッチンはこれくらいか？
タバコを吸いながら、適当にマジカルペンを振る。大まかなところを完成させていたら、漸く意識が戻ったアズール。若干涙目なんだけど、ジェイドとフロイド、何したんだよ。
「そんなに転寮が嫌ですか」
「嫌っていうか…」
「嫌なんですね」
「シャチちゃん、アズール泣かせたぁ」
「ふふふ、ちゃんと慰めてあげてくださいね」
俺のせいだという双子はニヤニヤと楽しそうにしている。仕方なくタバコを消して、アズールに向き直った。
せっかく良い部屋を用意したのに、とぐずるアズール。
確かに、それは勿体ない気がするな。でも、あそこ好きなんだよな。おばけいるけどさ。静かだし。
「じゃあ、その部屋取っておいてよ。俺が泊まりに行ったときのために」
「え、」
「シャチちゃん、泊まりに来んのぉ！？いつ！？」
「まだ決まってないって。で、どお、アズール」
「もちろんです！いつ来ますか！？」
「楽しみですね」
一瞬にして賑やかになる。機嫌が直ったようでなにより。
そう思ってまたタバコを取り出した。
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白鳥 - ヤヴァイ夢主がハイキューの国見にしか見えないwwwwあっえーとこのシリーズとっっっっても面白くて毎回楽しく読んでます！これからも更新頑張ってください! (2022年4月2日 20時) (
レス) @page1 id: 788cb9ebbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - (名前)太中大好き人間さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年7月4日 12時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - タバコで魔力という柔軟な想像力が凄いです！これからも頑張ってください！ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - きせるさん» ありがとうございます、嬉しいです！続編でもどうぞご贔屓ください！ (2020年6月4日 15時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
きせる - とても面白いし、夢主の性格とか凄く好きです！続編も楽しみにしてます(*^▽^*) (2020年6月4日 13時) (レス) id: 36960cc352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月2日 0時
