午後のお茶会と躊躇 ページ18
午後のお茶会。ジェイドは紅茶を入れるのが得意らしく、たまにこうやって振る舞ってくれる。
「そういえば、フロイドがまた生徒を殴ったそうですね」
「ああ。俺の悪口が気に入らないんだと」
「なるほど、そうですか。では、僕も混ぜてもらうよう、フロイドに言っておきます」
思わずジト目を向けてしまった。
ニコニコと笑っていながら、冗談で済ませないのがこいつで。さっき言った言葉が戯れじゃないのなら……。
頭痛がする。アズールも困ってるんだから、大人しくしててくれ。
大きくため息をつく。そして、タバコに手を伸ばした。
それを嬉しそうに眺めるジェイド。何が楽しいんだか、それはそれはいい笑顔だった。
「Aさん、躊躇いがなくなりましたよね」
それ、とやけに綺麗な指がタバコを指さす。
確かに、少し前からこいつらの前で吸うことに抵抗がなくなった。なんでだっけ、と首を捻る。
アズールは最初嫌そうだったけど、それも最近はない。フロイドは臭いと言いながらも、タバコ休憩には必ずついてくるし。ジェイドは咎めることもないし、何より嬉しそうだ。
「お前らが楽しそうだから、じゃないか？」
俺がタバコを吸うのを笑って見ている。それが案外居心地良いのかもな。そう付け足せば、顔を綻ばせる。
そうですか、と言葉は素っ気ないのに、あまりにも幸せそうだから、息が詰まった。気恥ずかしくなって、大きくタバコを吸い込む。
最初に出会った頃に比べれば、随分と心を開いてくれたものだと思う。フロイドもアズールも、あまり壁はなかった。だが、ジェイドは違った。何をするにもチクチクと刺さるような視線。タバコを吸うときの警戒心は隠そうともしなかった。
まあ、それは仕方ないんだけど。タバコを吸うことで許容量関係なく、魔法をぶっ放すことができる俺は脅威でしかないからな。
それが今は、警戒心のけの字もないくらい、リラックスしている。なんだか、滅多に懐かない猫が懐いてくれたときのような、そんなくすぐったい気持ちになった。
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白鳥 - ヤヴァイ夢主がハイキューの国見にしか見えないwwwwあっえーとこのシリーズとっっっっても面白くて毎回楽しく読んでます！これからも更新頑張ってください! (2022年4月2日 20時) (
レス) @page1 id: 788cb9ebbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - (名前)太中大好き人間さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年7月4日 12時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - タバコで魔力という柔軟な想像力が凄いです！これからも頑張ってください！ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - きせるさん» ありがとうございます、嬉しいです！続編でもどうぞご贔屓ください！ (2020年6月4日 15時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
きせる - とても面白いし、夢主の性格とか凄く好きです！続編も楽しみにしてます(*^▽^*) (2020年6月4日 13時) (レス) id: 36960cc352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月2日 0時
