One day -EXO短編集- (ページ43)

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「よ、おつかれ～」

『..........おつかれ』

やけに上機嫌の彼の額には汗が浮かんでいて、少し弾んだ呼吸と合わせて、無駄にセクシーに見える。

「俺に見惚れてた？」

私の手にある荷物を取ると、更にニヤニヤした表情で私に問いかけた。

気にせずしているその行動さえ、私の心をかき乱す。

女の子の荷物を持つなんて、そんなこと男の子はどこで学んでくるんだろう。

『うるさい、そんな訳ないでしょ。ジョンインのダンスなんて見飽きた』

今の自分ができる最大限の冷たい声で彼に答える。

彼の腕の中にある自分のダンスシューズやタオルを追いかけ、彼に続いて部屋に入った。

どかっとフロアの真ん中に座るジョンイン。

私は彼が運んでくれたダンスシューズを自分の足に履かせる。

私が靴紐を結んでいる間も、彼はご機嫌な様子でハミングをしている。

『.....機嫌いいね』

「そう？」

『何かあった？』

「あー.....次のソロの振りできた」

『え、珍しい』

ジョンインは熟考するタイプだ。

だから、自ら振り付けしなければいけない、自分のソロ曲が出来上がるのがチームで一番遅い。

考えるのが苦手なんじゃない。

むしろその逆で、考えても考えても、それよりいい振りが浮かんでくるそうだ。

直感で作る私なんかとは、正反対。

そんなところも羨ましくてしょうがない。

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