ねむれるてんしさま【ブルーロック】 (ページ42)

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40.熱烈愛情ギフトページ42

side 透凛

凛くんの練習に付き合った後、タブレットで試合の様子をチェックする。…あ、あそこのチーム残ったんだ…強い人いたしな…へぇ、大番狂わせ怒ってる…など、勝敗の動向や選手達の体調、コンディション、怪我の様子等を見る。多少捻挫とかしてたりする人いるな…歩けてるっぽいから多分軽いけど、後で様子を見に行こう。

そんな事を思いながら画面をスクロールしていくと、ある試合の状況を映した画面になった。思わず手を止めてしまう。

『…チームVと、チームZ…』

それも、凪さん達のチームVと潔さん達のチームZの試合。凛くんの練習の間も逐一チェックしていたけれど、最初はチームVが圧倒的に点差をつけていた。私はチームZをこっそり贔屓しているので応援してはいたものの、3点という点差はあまりにも大きくここからの逆転は不可能かと心の中で感じていた。

ところがどうだろう。今見てみると、なんとチームZが3点返し、チームVに追いついているではないか。驚いて試合の様子を凝視してしまう。

『もしかして、勝っちゃうのかな…？』

僅かな期待を込めた呟きに反応する人は誰もいない。けれど、言霊は存在するって言うし口に出せば叶うのかも。

きゅ、と片手を握りしめて、気合いを入れ直す。皆頑張ってるんだ、私もがんばろう！そう思って、私は駆け出す。

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先程の怪我人を治療しに、怪我人のチームの練習場へと来た。中を除くと、次の試合に向けて練習に励む選手達の姿が。邪魔したくなくていつ入れば良いのか分からず、入口の前で固まってしまう。恥ずかしい。

すると私の存在に気づいた1人の選手が近づいてくる。あ、あれは…。

『し、士道さん…』

「Aチャンじゃ〜ん！なんでここいんの、俺に会いに来てくれた〜？」

『いえ、怪我人の治療をしに…』

…言わずともがな、私はこの人が苦手である。あれ、さっきもそんなこと言ってなかったかって？人間だもの、苦手なものくらいあるでしょ、当たり前のことなの。

それに苦手な理由はきちんとある。それは…

「怪我したよぇ〜ザコなんかほっといていいからさ、俺と良い事しよ〜ぜ？」

『…お断りします』

…これである。

私の何が気に入ったのか知らないが、士道さんは私に会う度にこういった愛情表現(…なのかな？)を行ってくる。それもおそらくちょっとオトナな感じの。生憎私は会ったばかりの人とそういった事をする程愛に飢えていないので、ただ迷惑なだけとなっているが。