ねむれるてんしさま【ブルーロック】 (ページ36)

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34.場所取りの負け組ページ36

side 透凛

＿＿＿＿チームZとチームYが揉めたらしい。

私はその時バッチリ眠っていたので詳細は後から聞いたのだけれど、凪さんが「頑張らなきゃいけないなんて可哀想」的な事を言ったので、それに腹が立ったチームZが宣戦布告をしたのだ。

というかそこに至るまでに久遠さんの再度の裏切り行為があったらしい。あの人も懲りないなぁ…。

少し監視カメラ映像をチェックしてみると、絵心さんが「ゴールの方程式」についての話をしていた事が分かった。潔さんはそれについて自分なりに考え、潔さん達の伍号棟内で最もゴールを決めている馬狼さんに教えを乞うたようだった。…まぁ馬狼さんも性格に難ありの人だから、簡単には行かなかったようだけれど。

その後、就寝時間になってもvsチームY戦に今後の人生がかかっているチームZの人達は緊張で夜眠れなそうだった。…ちなみに私は7.5時間睡眠を厳守しているので、余程のことが無ければ11時には寝てます。その様子も全て監視カメラの映像からです。…プライバシーもくそもなくて、かわいそう。

というわけで、朝ごはんの時間です。私は今まで仕事をしていたので、今日は選手達と同じ時間に食べます気まずい。

どこも席が空いてなくて現在進行形で困っている。まぁそうだよなぁ…55人がここで食べてるんだもんなぁ…どこかに入れてくれる親切な人達いないかなぁ…。

そんな事を考えつつも、誰もこちらをチラリと見ただけで声をかけてはくれない。悲しくなってきた、部屋に持ち帰って食べようかな。そんな事を考え始めていた折、不意に手に持っていたプレートを誰かに取られる。そこにいたのは御影さんだった。

『…御影、さん？』

「場所なくて困ってるんだろ？俺らのとこで食べなよ」

どうやら場所を提供してくれるらしい。ありがたく厚意に甘える事にして、席まで案内してもらう。ご丁寧に引いてくれた席は御影さんと凪さんの間だった。剣城さんハブられてるみたい。

「しょっかくじろうじゃん、おはよー」

『おはようございます、なぎたろうさん』

仮にもマネージャーなので頭を下げると、そんなのいいのにというぼやきが隣から聞こえてきた。聞こえなかったふりをして、手を合わせる。箸を持って、ご飯を口に運ぶと…普通にご飯の味がした。当たり前か。

というか人に見られながら食べるのって緊張するなぁ、そんな事を思いながら食べ進めていると、私はある事実に気がつく。

『…ニンジンが、はいってる』