ねむれるてんしさま【ブルーロック】 (ページ21)

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19.面倒くさがりの覚醒タイムページ21

side 透凛

『じゃあ後で、ティッシュ持ってきますね』

私はそう言って、ゴミをゴミ袋に詰める。まだまだ入れないといけないんだし、上から押そう。そう思ってゴミを圧縮する。よし、まだまだ入る。

『それじゃあ、失礼しました』

ペコリと頭を下げてチームVの部屋を出る。ふと時間を確認するともう19時近くなってしまった。うーん、そろそろ皆さん夕食から帰ってきちゃうしなぁ…残りは明日、にしよう。

そう思って私はゴミ袋の端を括り、掃除機を元の場所に戻す。このゴミ袋はまだ入るから明日も引き続き使おう、まだ回収来ないしね。

そろそろ私も夕ご飯食べないと。今なら人少ないだろうから、狙い目だし。食堂に行くと案の定、数人が遅めの夕ご飯を片付けているだけだった。

私は支給されたカードをかざし、出てきたプレートを取る。プレートの上にはご飯とお味噌汁と野菜炒めと飴数本が乗っている。え、何で飴が乗ってるかって？私が好きだからです。

席について、スマホを取り出す。ゲームを起動するとログインボーナスを得る事が出来た。人気のない食堂に、ゲームの楽しげな音だけが響いている。時々ご飯を口に運ぶものの、やはりゲームに集中してしまう。行儀悪いって言われそうだけど、誰もいないし今日だけ許して。

ご飯を食べ終えたが、すぐには立ち上がれない。育成を始めるとすぐにはやめられない…。このゲーム開発した人天才だと思う、沼ってるよ私今！！！

次は限定素材が落ちるステージに行こう…そんな事を考えていると、ふと机に影が差していることに気付いた……そう、人の形をした影が。ゆっくりと視線を上げるとそこには、白い髪に気怠げな瞳、大きな体。先程の部屋にいた、凪さんだ。

『ひょぇ、』

…すごい声出たぞ今。えてか何で私のこと見てるんだ…？若干の恐怖を覚えながら、『何か用ですか』と聞く。声が震えたのが自分でも分かった。

すると凪さんは、ゆっくりとした動作で私のスマホを指差す。あれ、彼にはとてつもない面倒くさがりという印象を持っていたのだけれど。何だか今の彼の目には(失礼だが)生気が宿っている気がする。

凪さんが指差した私のスマホには、当然先程やっていたゲームの画面が映っている。あれ、負けてるじゃん…凪さんが急に目の前にくるから…。あ、人に責任転嫁するの良くないよね、ごめんなさい。凪さんは困惑する私を無視し、口を開く。

「ねぇ君もしかして、"しょっかくじろう"さん？」