ねむれるてんしさま【ブルーロック】 (ページ18)

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16.目的は変わってページ18

side 透凛

「じゃあ改めて透凛…なんで更衣室に？」

『あっ…』

やっぱそこだよねー！！！知ってたーー！！！！ていうか今更だけど私の心の中うるさくね…？何か喋っちゃうんだよね、これが天性の才能だよきっと(？)

あてか答えなきゃなんて答えよう…でも何か下手にウソついたら誤解される気がするなぁ。私ウソつくと大体ウソだってバレるし…いいや、嘘つかなくて。

『すみません、備品補充の仕事が終わってなくって…今終わった所なので、すぐ出ていきますね。』

私がそういうと彼らは少し驚いたような顔をした反面、納得したような顔もする。なんだ、忙しい人達だなぁ。

「もしかして…いつもユニフォームとか、タオルとかドリンクとか用意してくれてたのって透凛ちゃんだったの？」

透凛ちゃん…距離近いな、蜂楽さん。まぁ変に他人行儀なのより、そっちの方が気楽でいいや。そんな事を考えながら私が蜂楽さんの問いにコクリと頷くと、潔さんが前に出てきた。

「この前皆と、いつもタオルとかユニフォームとかいい匂いする…みたいな話をしてて。ありがたいなぁ、と。お世辞にも俺らの使用後はいい匂いとは言えないから…笑

……あ、匂いとかキモかったですか！？すみません！！！」

思わないところで褒められて、今度は私が驚く番だった。私はただ、任されたからやってるだけ。それでも確かに彼らは喜んでくれて…それが、無性に嬉しかった。

『私のは、仕事なので…皆さんがサッカーに専念できるように、私にお手伝いできることはこれくらい、なので。』

何だか、やけに恥ずかしい。素っ気なくしか答えられない自分が憎い。けどこれ以上ここにいると、恥ずかしいのがきっとバレちゃう…早く、出ていかないと。

『そっ、それじゃあ…。失礼、しましたっ！』

早口でそう言い切ると、私は彼らの横をすり抜けて外へ出る。早歩きしている自覚はあるけど、1秒でも早くここから出て行きたかった。そうやって廊下を進んでいくと、後ろから大きな声が聞こえた。

「透凛さん、いつもありがとーーっ！！！」

…おっきな声で私の名前、言わないでよ。恥ずかしくって死んじゃいそう。ていうか潔さん、まだ私の名前さん付けしてるし。

でも……アンリさんの為ばっかりじゃなくって、選手の為に頑張るのも、いいかもしれない。こんなこと思ったのなんて、生まれて初めてだよ。