アマリリス (ページ35)

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待ってるページ35

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隼side

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ぐるーっと一周まわって終わりの雰囲気に近づいてきたころ。口を開いたのは隼くんだった。

「観覧車、乗らない？」

『･･･ふふっ、』

「･･･え？」

『やっぱり。観覧車乗ろうって言うだろうなぁ、と思った』

「･･･ほんと、Aさん俺のことまるわかり」

『ふふっ、でしょ？』

Aさんの手を引いて観覧車に乗り込むと、向かい合わせで座る。
綺麗、って下を覗くAさん。
俺にはAさんの方が数億倍綺麗だけどね。

『楽しかったなぁ･･･』

「ずっと笑ってた」

『え？私？』

「うん笑」

『ふふっ、私ね、隼くんといると笑顔になれるの。哲也さんにもこの間言われたんだぁ。隼くんが来ると一気に空気が明るくなる、って。ふふっ、私って単純』

「･･･好き。俺はAさんのそういう所も好き。」

『ふふっ、ありがとう』

そう言って笑うAさん。
だけど、今日は少し悲しそう。そう見えるのは気の所為？

『･･･え、？』

Aさんの隣に移動して横から抱きしめた。
午前中は赤パツとご飯食べて、
夜は俺とイルミネーション見に来てるのに。
普通なら大満足な一日を過ごしてる。
なのに、どうしていつもみたいな明るい笑顔じゃないの？
まるで作り笑いみたい。

「･･･俺じゃだめ、？」

『･･･隼くん、』

肩に回した腕にAさんの手が触れる。
それだけでもうドキドキが止まらない。
俺は大好きすぎる、Aさんのことが。
ねぇ、伝わってる？この気持ち。

『･･･まだ、私はこのままでいたい。』

『･･･隼くんの気持ちにまだ充分満足できるくらいの答えを出せない。私が満足できない。』

「･･･Aさん、」

『だから、隼くんはまだ私を好きでいて？私に好きって伝えて。飽きるぐらい。ずっと』

「･･･っ、」

お互い離れると目線が重なり合う。
俺の頬にちゅ、と触れたAさんの唇。

『今の私の精一杯』

「Aさん、･･･好きです」

『ふふっ、メリークリスマス、隼くん。』

何度でも言う。何万回、何億回って言うよ。
好きです。大好きです。って。

そして、付き合えたら俺のありったけの大声で叫ぶんだ。

愛してる。って。

メリークリスマス、Aさん。

観覧車のてっぺん。
俺もAさんの頬にキスをした。

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