アマリリス (ページ36)

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今年もページ36

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1月1日。

朝日が眩しくて青空が広がってる。
最寄り駅の近くの川に珍しくカモが泳いでいた。
今年はいい年になりそう、なんて。

『おはようございます』

哲也「お、Aちゃん！あけましておめでとうございます」

北人「おめでとうございます」

『ふふっ、ふたりともあけましておめでとうございます！今年も私をよろしくお願いします』

哲也「仕方ないから今年も雇ってあげるよ」

『ふふっ、どうも』

今年も一年、私はここで働く。
コーヒーをいれるの、もっと上達させて、ケーキもたくさんの種類をつくる。
そして、新しい目標をつくれる年にするんだ。

「あけましておめでとーございまーす！」

『隼くん！』

来ちゃった。ってへへっ、と笑う彼。

「今年最初に話したのAさん」

『ふふっ、なんか嬉しい』

出会ってからずっと、私に好き、って伝えてくれる隼くん。

私は未だに答えを出せてなくて曖昧に返すことしかできてないけど、隼くんへの気持ちもハッキリできたら、なんて思ってたりもする。

赤髪の人はなんか不貞腐れてるし。
あの人はなんなんだろうなぁ。

「Aさん」

『はい』

「今年もずっと好きです。毎日好きって言い続けます」

『ふふっ、ありがとう』

北人「めっちゃ重くないすか」

哲也「Aちゃん変わってるからこういう愛情表現がちょうどいいんじゃない？」

後ろでガヤガヤなんか言ってるけど、目の前でニコニコしてる隼くんみたら世界は平和だな、なんて思っちゃって。
隼くんを見てると私まで笑顔になる。幸せな気持ちになる。
なんか、魔法使い、みたいな。

今年も一年、いろんなことがあるんだろうなぁ。

それはきっと、どこかに隼くんが関係してて、私の思い出の半分以上は隼くんとの思い出で。

絶対笑ってることの方が多くなる。

素敵な一年になる。
それは確信できる。

『今年もたくさんのお話聞かせてね』

「はい！じゃあ、早速昨日の夜の話、していい？」

アマリリスな隼くんと、素敵な一年が始まります。

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