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寮まで帰り道、外廊下を渡りながら中庭の外れにあるガゼボまで2人は散歩した。
空気は冷たいが、雪もちょうどやんでいて、人に聞かれたくない話がある時にはちょうどいい場所だ。
｢で？それっていい話？悪い話？｣
Aが用意した、炎が入った小瓶を両手に包んで座るフレッドは身を乗り出す。
｢悪い話かも｣
｢また俺のことムシする？｣
｢･･･今度は私がされるかも｣
｢俺が？Aを？まさか！｣
｢けど、ジョンソンと付き合ってる時のあなたは、私のこと見ないようにしてた｣
拗ねるようにAは顔をそらす。
フレッドに恋をしていたから分かる、その人の視線がどこにあるかが。
だから、フレッドに彼女がいた時は自分に向けられることは無かったものが、ある日を境に痛いほどの視線を向けられるようになった。
｢それはアンジェリーナがAを気に入ってなくて｣
｢どうして？私あの人とそんなに親しくもないのに｣
｢Aが可愛いからじゃない？｣
｢もう！機嫌取ろうとしたってダメなんだから！｣
拗ねた顔のままフレッドを振り返ると、フレッドはAの好きな優しい目をしていた。
だから、また胸が苦しくなる。
｢好きなの｣
Aがそう言うと、フレッドの目が見開いた。
｢フレッドが私のこと妹扱いしかできないのは分かってる｣
｢妹？｣
｢だから忘れる努力はしたの。フレッドのこと好きじゃなくなったら、また普通にしゃべれるかと思って。でも、忘れられなかった･･･忘れることのほうが苦しかった。そしたら、あなた達が別れるし、私のほう気にするような視線送るし！きのうだって、どうしてあんなに優しくしてくれるか分かんなくて、私もう考えすぎてグチャグチャになるし｣
｢A落ち着けよ！深呼吸！｣
一気に捲し立てるAをフレッドは慌て止める。
長くAが息を吐ききったところで、今度はフレッドが頭を抱えた。
｢あー、そうだよな。俺が悪いよな、あそこでキスするべきじゃなかった｣
独り言のように口にした後で、自分の失言に気づいて勢いよくAの顔を見るとやっぱり今にも泣きそうな顔になっていた。
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しらたまコ(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます！とても嬉しいです＼(^^)／最後までちゃんと書き上げたいと思います！ (2021年10月3日 1時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり。(プロフ) - すごく好きです！更新楽しみにしています(o^^o) (2021年10月1日 18時) (レス) @page24 id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年9月24日 13時
