�� ページ34
.
やたらと周りにカップルであることをアピールしたがる以外は、アンジェリーナはフレッドにとって悪くない相手だった。
クィディッチの話もできるし、よく笑って性格も明るい。
｢それって別に彼女じゃなくて友達でもよかったんじゃねぇの？｣
朝食を終えて戻ってきたジョージに、突然付き合い始めた理由を聞かれ、本当の理由を言えるはずもないのでアンジェリーナの良いところを上げてみると、割とまともなことを言い返されてしまった。
｢ほら朝飯、念の為だ｣
｢サンキュ｣
調子が悪いから何もいらないと言ったはずなのに、律儀に持ってきてくれたパンとリンゴを受け取る。
｢まぁ、フレッドがそれでいいならいいけど。アンジェリーナがAに絡んでたぞ｣
｢いつ？｣
｢きのうお前がフィルチとデートしてる間｣
｢ばっか、ロンも一緒だったよ｣
｢あと、Aも医務室だって｣
｢そっか｣
｢Aになんかした？｣
｢分かんねぇ。久しぶりにちょっと話したけど、もしかしたらヒドイ事言ったかも｣
ロンが何か言ったな、とフレッドの感がそう言った。
弟の好奇心は今に始まったことじゃないし、Aがグレンジャーに事の全てを話していたら違う聞き方をしてきたはずだから、ジョージはほぼ何も知らないんだろうとフレッドは僅かな時間の間に考える。
だから、シラをきることにした。
｢あんまりイジメんなよな｣
｢･･･もう遅いかもな｣
｢ん？｣
｢そうだな、って｣
レポートの代筆で貸しを言いつけて、ジョージは授業のために部屋を出ていく。
フレッドはもう一度ベッドに横になると、傍らに置いたリンゴを見てふと昨晩のAを思い出した。
『どうして俺にキスしたんだ？』
そう言った時のAの顔は熟したリンゴのように真っ赤だった。
それを見た瞬間に、自分の中の何かが暴走したんだとフレッドは思う。
泣きそうに潤んだ瞳が暖炉の灯りで余計に綺麗に見えて、この目にずっと映っていたいと思ったら、Aの拒絶の言葉も聞こえないふりをして口付けていた。
｢･･･うわ｣
知らず知らずに唇を指でなぞっていたことに、フレッドは自分で驚いて引く。
ついに、自分の気持ちを分かってしまった。
アンジェリーナは簡単に別れてくれるだろうか。
無理そうだ、としばらく別れる方法を考えてから、フレッドは思考を止めて眠ることに決めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 569人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらたまコ(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます！とても嬉しいです＼(^^)／最後までちゃんと書き上げたいと思います！ (2021年10月3日 1時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり。(プロフ) - すごく好きです！更新楽しみにしています(o^^o) (2021年10月1日 18時) (レス) @page24 id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年9月24日 13時
