One In A Milion ページ22
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教科書を買いに行くと約束した水曜日、生憎午前中に用事があったAは書店で開かれるサイン会に合わせてハーマイオニーと合流するようにした。
｢うっそ、なにこれ･･･｣
書店に向かっていると、人が群がっている。
何とか人混みを抜け書店に入ってみると、上階の窓に掛かった大きな横断幕にデカデカとサイン会の広告が書かれてある。
｢A！こっちよ！｣
｢やぁ、久しぶり｣
｢ハリー、ウィーズリー家を楽しんでる？｣
こっそりとハーマイオニー達が並んでいる列にすべり込んで、手近に陳列してあったサイン会の主、ギルデロイ・ロックハートの本を引き寄せた。
｢A！｣
｢やぁ！｣
Aの両肩に双子のそれぞれの手が乗り、仰ぎ見ると覗き込むようにした双子と目が合う。
首を戻して体ごと振り返ると、ついフレッドの方を見てしまい慌てて目を逸らす。
｢ところでこれ、すっごい列ね｣
話を振って不自然になった態度をごまかすようにジョージを小突いた。
｢全くだ。こんなのを教科書にするなんて新しい教師はロクな奴じゃない｣
｢でもママを見てみろ、浮かれてる｣
｢ハーマイオニーも｣
モリーを薄ら目で見るフレッドに続いて、Aも背後で色めき立っているハーマイオニーを横目で見た。
｢なぁ、女子から見てアレはカッコイイのか？｣
フレッドが身を屈めて耳打ちしてきたので、Aは考えるように首をかしげる。
｢まぁ･･･こんなに人気があるならそうなんじゃない？｣
｢Aから見たら？｣
｢え、絶対に嫌よ。フレッドの方がカッコイイ｣
｢あ、そう｣
お世辞でも何でもなく素直に言った言葉にフレッドの返事は歯切れが悪い。
不思議に思って、どうしたのかと聞こうとしたその時、行列がパッと割れた。
何事かと思えば、ロックハートがこちらにつかとつかと歩み寄り、ハリーを正面に引っ張り出していた。
｢可哀想なハリー･･･｣
カメラマンのフラッシュに囲まれるハリーに少し自分を重ねる。
有名な両親の元に産まれてしまったAには、マグルの世界でハリーと同じ様な思いを何度もしたことがある。
両親のことは愛しているが、環境はやはり好きではない。そのことにもウンザリしていたからホグワーツに入学出来たのはラッキーだった。
｢A？｣
ジョージが顔の前で振る手の平で、ハッと我に返る。
｢大丈夫、ちょっと考えごとしてただけ｣
心配そうな顔の双子にそう告げた。
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しらたまコ(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます！とても嬉しいです＼(^^)／最後までちゃんと書き上げたいと思います！ (2021年10月3日 1時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり。(プロフ) - すごく好きです！更新楽しみにしています(o^^o) (2021年10月1日 18時) (レス) @page24 id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年9月24日 13時
