�� ページ4
.
｢見かけに騙されちゃダメってことね｣
｢お前になら騙されてもいいぜ？｣
フレッドがキメ顔でウインクを飛ばしてくるが、そのふざけた顔で言われても笑いしか出ないAは試合に目を戻す。
そこから試合は時間をかけることなく終わった。
両チームのシーカーがスニッチ目掛けて急降下し、最後にゆっくりと舞い上がって拳を突き上げたのはブルガリアのシーカー、ビクトール・クラムだ。
大観衆の頭上にスコアボードが点滅する。
ブルガリア 160
アイルランド 170
｢アイルランドの勝ち！クラムがスニッチを捕りました！しかし勝者はアイルランドです！なんたること･･･誰がこれを予想したでしょう！｣
驚いているバグマンの言葉を聞きながら、Aが勢いよく振り返ると、フレッドとジョージはニヤリと笑って口を開く。
｢誰が｣
｢これを｣
｢予想したでしょう？｣
得意気な顔で最後に声を揃えた2人に、Aは試合結果よりも感動していた。
｢あなた達が予想した！すごい！すごいわ!!｣
アイルランドチームがウイニング飛行ですぐそこを飛んでいたが、Aはそちらよりもフレッドとジョージに拍手を送るのに夢中で気づいていない。
そしてハッとして、まだ声を枯らしながら喋っているバグマンの姿を目でとらえると2人に視線で合図を送る。
｢早く行くのよ！大金だもの！バグマンさんが持ち逃げする前にもらいに行かないと！｣
｢そりゃそうだ！｣
｢ちゃっかりしてるな、A｣
フレッドとジョージは長い足で座席をまたぎながらバグマンに近づいて行った。
これ以上ない笑顔で手を突き出してバグマンに催促した2人は、金貨の入った重そうな袋を受け取るとAの元へと軽い足取りで帰ってくる。
袋の中の輝く金貨の山を見てAは嬉しそうに顔をほころばせた。
モリーには少し後ろめたいが、魔法省よりも悪戯グッズ専門店の方が絶対に2人には向いているはずだ。
｢あなた達が魔法省なんて才能の無駄遣いだわ｣
Aはそう言って笑顔を見せる。
スタジアムにはアイルランドの勝利を祝う大輪の花火が夜空に咲いていた。
2人の夢も同じくらいに大きく花開けばいいとAは願った。
20220213
Ariana Grande
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 723人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トオ(プロフ) - 更新有難うございます…！次も楽しみです❕ (2022年9月28日 10時) (
レス) @page50 id: 140729f59d (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - みらんさん» 更新してからお返事しようと決めていましたが、大分遅くなってしまいました。ダンスパーティーまでまだありますが引き続き頑張りたいと思います。コメントありがとうございます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - とうふさん» お返事がとても遅くなってしまいすみません。更新はするつもりでいます！どうかもう少しお待ち頂ければと思います…！応援のお言葉ありがとうございます!! (2022年8月21日 0時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
みらん - ダンスパーティーのところ楽しみにしてたので残念です。更新待ってます💪💪 (2022年8月13日 0時) (レス) @page41 id: e061b386f2 (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - もう更新はないのでしょうか？？ 更新楽しみにしています…！！ (2022年7月21日 0時) (レス) @page41 id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2022年2月12日 0時
