家族の問題 ページ24
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｢心配は無い。化膿から発熱しただけだろう｣
医務室で点滴を打たれながら眠っているAを一瞥してからヴィンセントはノーマンに告げる。
｢本当に連れて来るとはな｣
｢本気だってあの時言っただろ｣
ベッドの端にイスを引き寄せてノーマンは座る。
熱のせいで温かなその手を握った。
｢私はいいが、シスロとバーバラが問題だ。ザジはまぁ･･･大丈夫だろう｣
｢そう言えばまだザジ見てないけど｣
｢さぁ、その辺をウロウロしていたが｣
｢ならいい｣
そこで派手な音を立ててドアが開き、ズカズカとシスロとバーバラが踏み込んできた。
｢知ってるんですけどー、聞こえてるんですけどぉ？｣
｢バーバラ、ドアが壊れる｣
｢うっせハゲ｣
ヴィンセントに悪態をついて、バーバラはノーマンの傍らに立ち、Aを見下ろす。
｢知ってるよ、コイツ｣
｢彼女も家族だ。僕の大切な人｣
｢いくらボスの言うことでもなぁ･･･｣
シスロもAの顔をのぞき込むように近くへ来た。
頭を掻きながら首を捻る。
｢コイツ、アタシ達の敵だろ｣
｢殺っちゃったほうがいんじゃね？｣
｢･･･そのくらいにしておけ｣
｢｢ヒッ!?｣｣
ヴィンセントは大きく溜め息をついて頭を抱えた。
シスロとバーバラと言えば、冷ややかなノーマンに鋭く睨まれている。
｢Aに手を出したら、たとえ誰だろうが許さない｣
鋭利な眼差しと冷ややかな声に気圧され、2人は数歩後ずさるとそのままバックして部屋を出ていった。
｢あのくらいの反抗なら大丈夫だろ｣
｢･･･ボス｣
｢そう言えば、そのボスって何とかならなかったの？｣
｢私はボスより
｢え、うん。ボスで本当によかった｣
本気でノーマンはそう思って、安堵した。
少し考えて口を開く。
｢読んでおく資料をここに持ってきてくれ｣
｢ここに？ボスの部屋は上に用意したが｣
｢Aが目覚めるまでここにいる｣
｢了解｣
やれやれ、と言ってヴィンセントは眼鏡をあげた。
翌日も、翌々日も、必要以外はAの傍らで作業するノーマンと、ふらりと立ち寄ってどこからか持ってきた花を花瓶にザジが生ける。
｢ノーマン･･･？｣
Aが目を覚ましたのは、アジトに着いて4日目のことだった。
｢A！いいんだよ起き上がらないで、そのままで、ね？｣
｢わた、し｣
｢倒れるまで無茶しないでくれ｣
覆い被さるように抱きついてきたノーマンの耳元に、かすれる声で謝った。
20190614
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
