新しい家 ページ23
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日が沈むまで体を寄せあって眠り、星が出始めた頃移動を開始した。
｢まだまだ移動続きだけど平気？｣
｢その、アジトは本当に安心できる場所なの？｣
｢きっとね｣
Aは頷いて、歩き出す。
ノーマンといれば絶対に大丈夫、という漠然とした思いで。
移動は順調そのもので、追っ手よりも野生鬼に気をつけながら進んで行く。
今鉢合わせたら、武装していないぶん圧倒的に不利でしかない。
ただ、アクシデントは付き物でもう少しでアジトという道中、Aの足取りが明らかにおかしかった。
｢A？｣
座り込んだAの体が熱い。
慌ててAのスカートを、捲り上げると数日前に木の枝で切った部分がひどく化膿している。
｢くそっ･･･｣
もっと気に止めていればよかった。
大したことない、と言うAの言葉を信じすぎていた。
呼びかけても、返事をすることもなく苦しそな呼吸をするだけのAをおぶる。
急げば、今日中にはアジトへ着くはずだ。
祈るような気持ちでひたすらノーマンは足を動かした。
｢誰かっ！｣
やっとの思いで辿り着き、声を張る。
ヴィンセントはノーマンの姿を確認すると足早に降りてきた。
｢遅かったな、ボス｣
｢そんなことはどうでもいい、説明は後だ。彼女を｣
ノーマンの背中におぶわれているAの姿に、ヴィンセントが眉根を寄せる。
｢彼女は･･･｣
｢説明は後だと言っただろ、傷口から感染している。手当てをしてくれ｣
｢･･･分かった｣
わずかな沈黙の後に頷いて、ヴィンセントはAを受け取った。
｢責任もって預かる。先にあいつ等に姿を見せてやってくれ｣
｢分かった、任せる｣
溜まった疲労が、途端に抜け落ちてノーマンは地べたに寝転んだ。
元、鬼の集落。
目の前に果てなく広がる新しい場所に、満足気に微笑む。
｢あー！ボスぅぅぅぅ！｣
｢え？まじ？ボス!?｣
にぎやかな声がしたと思ったら、バーバラとシスロだ。
駆け寄ってきた2人に腕を引っ張ってもらって起き上がった。
｢待たせたね、ごめん｣
｢それな。途中でいなくなってまじ焦った｣
｢ボスいなくなった時のシスロまじウケた｣
｢･･･そのボスって何？｣
ヴィンセントにも呼ばれたその単語に首をかしげる。
｢ノーマン、って呼んでもカッコつかねぇじゃん？俺達助けてもらったし、トップには呼び名がいるだろってことで！｣
｢嫌？あと、
｢･･･ボスでいい｣
20190614
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
