天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ28)

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第14話不器用なアピール④ ページ28

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それから数日経ったある日の英語の時間──。

尊人はあれ以来、英語の時間だけは居眠りせずに熱心に授業を聞いている。

合格するかどうかは五分五分って感じだけど、こんなに頑張ってるんだし、合格させてあげたいな......。

そのまま授業を受けていると、後ろの席から消しゴムが飛んできた。

『(ん......？)』

見るとまた、小さく折りたたんだ紙が挟まっている。

『(なんだろう......。今日はちゃんと起きてるし......)』

訝しく思いながら紙を開いてみると、そこには『兄貴の髪、見てみ』と書かれていた。

さりげなく横を向いてみると......、

尊人の髪に、小さなてんとう虫が止まっていた。
本人は全く気付いておらず、真剣な顔でノートを取っている。

私はクスクス笑った後、紙の余白に『髪留めみたい』と書いて竜に返した。

後ろで竜が『ぷっ』と吹き出している。

尊人｢ん......？なんだ？｣

『......なんでもない』

尊人｢今、2人で笑ってただろ？｣

竜｢なんでもねぇって。兄貴、前向けよ。先生に当てられっぞ｣

結城｢それじゃあ次のところを......京極尊人くんに読んでもらおうかな｣

尊人｢えっ、あっ......はい！｣

尊人が慌てて立ち上がったのと同時に、てんとう虫はどこかに飛んでいってしまった。

私と竜は顔を見合わせ、こっそりと笑い合うのだった。

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