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続々。 ページ10

すっかり血溜まりと変わった戦艦から小太郎と肩を並べて降りる。目線の先には、神楽ちゃんともう1人の少年とで三人並び歩く銀時の姿。



その姿になにを思ったか、自分でもよくわからないが、私はテナントに腰をかけ夕焼けに溶け込む三人の姿を眺める。それを見た小太郎は何も言わずに私の隣に腰掛け、付けていた眼帯をくるくると器用に回しはじめる。
気がつくと銀時は2人の子供をおんぶし、帰路への歩みを進める。



桂「フン…今度はせいぜいしっかりつかんでおく事だな。」


小太郎が鼻を鳴らしてそう呟く。



『なんだか妬けちゃうね、小太郎』


冗談めかしにはにかんだ私は、どう映っただろうか。夕陽がやけに眩しく感じる。前に進む彼らに対し、いつまでも立ち止まったままの自分に少しの嫌気がさす。


桂「あっっっら〜お前にそんな可愛げがあったなんてお母さんビックリ」


『なんなのシリアスキラー⁇いい加減にしろよ⁇⁇;今いい感じにしんみりしてたじゃん⁇⁇そのヅラ毟り取るよ⁇⁇』



桂「ヅラじゃない桂だ‼俺は思ったことをそのままだnイタッッッ」


デリカシーのかけらも無い、空気も読めない電脳バカに私は堪らず拳骨をくらわせた。先生ほどの威力は生憎持ち合わせていなかったが、立派なタンコブを拵える事には成功したらしい。腫れた頭をさすりながら小太郎が私に言う。


桂「…俺から見れば、お前も充分に歩みを進めてると思うがな」



ポカンと開いた口の私と、柔らかな笑みを浮かべる小太郎。その長髪は夕陽に照らされ、懐かしい色がチラつく。


『……敵わないなぁ』



そう小さく呟いた私は、頬の紅を夕陽に隠した。

続々続。→←38話。人の名前が覚えられる人って凄いよね。



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作者名:べにまる。 | 作成日時:2020年4月14日 23時

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