ずっと前からオマエしか見てねえよ【灰谷蘭】

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「エミリさん、どうしたんですこれ？」



「サクラ、オーナーが今から来るって！失礼のないようにね」



「えっ、オーナーって佐藤さんじゃないんですか？」



「あの人は代理よ。
今から来るのはこのキャバクラの本当のオーナー。裏の世界の人ってこと」






先輩キャバ嬢のエミリさんに状況を聞いてみると、今からこの店のオーナーが来店するそうだ。


ついてっきり入店時に紹介された佐藤さんというひとがオーナーだと思っていたのだけれど、彼は代理らしい。





本当のオーナーは裏の世界の住人…ということは間違いなく反社のひとだろう。


どんな厳つくて怖そうなひとが来るのだろうとビクビクしながら目を付けられないように気を引き締めた。






幸いにも私はこの店に来たばかりで、歴も浅いしまだ上位を獲得できる嬢でもなかったからオーナーを直接出迎えることはなかった。



邪魔にならないように奥の方の座席でいつものように同席をしていたその時、VIP席に繋がる廊下を通る紫色の髪の男性と目が合った。





見慣れたつり眉とアメジストのような色をした垂れ目。

髪型こそ違っているけれど、私はそのひとの姿に既視感を感じずにはいられなかった。





・
先輩キャバ嬢のエミリさん、そして主人公のキャバの源氏名としてサクラという名が出てきましたが、
またしても女友達の奈々ちゃんのように読者さまが設定している主人公の名前と万が一被ってしまっている場合は教えてください。


変更します。

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