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You.s

『それは違うよ。』

後悔の表情を浮かべるやまとに
私はまだやまとに一度も言ったことがなかった話をした

『確かに、あの時はどん底だった。
いっそ私も消えちゃいたいくらいだった。

でもね、その時やまと達の動画が力をくれたんだよ。
YouTubeを開けばいつも元気なやまと達がいた。
久しぶりに外に出てコンビニに行くと、雑誌コーナーの表紙にみんながいた。
それがどんなに私の心を救ったか…』

今日だって、やまとは私の声を聞いただけですぐに飛んできてくれた

何にも言ってないのに、きっと私が落ち込んでることに気付いていた

そのたくさんの優しさが
何度私を救って来たことか。

『だからやっぱり、私にとってやまとはヒーローなんだよ。』

言いながら、俯きがちなやまとの方を見て笑いかけると

今までぼんやりと前を見ていたやまとが私の方を見て
目が合った

やまとの左手は助手席の背もたれに添えられ
もう片方の手が、私の合わせていた両手に重なった

私を見つめるその目はもう、さっきまでのやまとではなくて

熱っぽさを持った視線が私を捕らえる

それからゆっくりと顔が近付いてきた

私は反射的に目を閉じて

気付いた時には

唇に柔らかな感触があった

しばらくして顔を離すと

「…ごめん。」

やまとは目を逸らしながらそれだけ言った

それからすぐにエンジンをかけて
車はコンビニを出た

突然の出来事に心臓がずっと煩くて
頭はまた、上手く働かなくなった