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66_赤井side ページ22

赤井side



監視も兼ねたAとの生活は
驚きの連続だった…







「まさか、あのAが俺より人間らしい生活を送っていたとは…」


『私をなんだと思ってんすか。』







朝日が登れば起床し、夜は日付が変わる前に就寝する。

それだけでも驚きなのに、テーブルに並べられた温かな家庭料理を前にし、俺は絶句した。









「普通だ。普通で平凡な家庭料理だ。」


『もしかして、喧嘩売ってます?』








いや、もしかしたら味や調味料に問題があるかもしれん。

俺は数種類ある料理の中から肉じゃがを選び口に含んだ。








「……食べられる。」

『ぶっ飛ばしますよ。』








それに俺のより美味いんじゃないか…?


Aの料理は、繊細な料亭の味という美味さではなく、懐かしさを感じる家庭的な味だった。

毒が仕込まれていないのは既に確認が取れている。



相手に敵意が無いことは分かってはいたが、自分が思っていたより箸が進んでしまい、気付けば完食していた。








『もしかして赤井さん、日本食の好き嫌いってあまり無いんですか?』


「あまり無いな。…あぁ、だがニオイが個性的なものは好んで口には入れんな。」


『へぇ、』


「…もしかして、俺の食の好き嫌いを知る為に品数が多かったのか?」


『どうせ作るなら、美味しい方がいいじゃないすか。』









俺が思っていた以上に、Aは気遣いの出来る家庭的な人間なのかもしれない。








『食後になにか飲みます?』


「…あぁ、じゃあ温かい緑茶を貰おうか。」


『っはは、あのライが緑茶!』


「おかしいか?」


『とっても。』


「…俺からしたら気遣いの出来るAの方が驚きだがな。」


『やっぱり一発殴らせてください。』









俺の顔面めがけて飛んできたAの拳を、片手で軽くいなしてかわす。

初日の険悪な空気からしたら、可愛いものだ。









「…とんだ、痴話喧嘩に巻き込まれたものだな。」


『は?痴話喧嘩??』


「いいや、ただの独り言だ。」

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ユナ(プロフ) - 更新楽しみにしています (8月24日 8時) (レス) @page30 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます、無理せず頑張ってくださいっ!! (2022年8月26日 23時) (レス) @page30 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続き読みたいです (2022年8月4日 20時) (レス) @page30 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
餅と米(プロフ) - 更新が待ち遠しいっ! (2022年5月31日 0時) (レス) @page30 id: 87d6d54ea2 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 作者の仮面タロウです。たくさんのコメントありがとうございます!長い間返信しきれずすみません。作品更新につきましては、滞っていた作品から順番に更新していく予定です。大変長らくお待たせして申し訳ありませんが今暫くお待ちください。 (2022年5月9日 21時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年12月12日 15時

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