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貴方side
『赤井秀一、くれぐれも上司さんに殺されないでくださいね。…じゃないと、私が先にアナタのこと殺しますから。』
「同居初日から、随分と物騒なことを言うじゃないか。」
監視も兼ねた、工藤邸での共同生活
その初日に、脅しともとれる発言をしたAに対し、
赤井は動じることなく、ソファーに深く腰掛け淹れたてのコーヒーを飲んでいた。
『…そう言うワリには、警戒してないっすね。私も舐められたものだ。』
「別に君を低く評価しているわけでも、蔑ろにしているわけでもない。正面切って彼を守ると言ってのける人間に警戒するのも馬鹿らしいのでな。」
『なにを…』
「彼を犯罪者にしたくないのだろう?」
赤井の言葉にAは押し黙る。
赤井秀一捕縛に動いた降谷零の行動は、公的な正当性を掲げてはいるが、私怨に近い。
故に、降谷零が赤井秀一を間接的にでも殺してしまえば、それは罪となる。
罰せられないとはいえ、その罪は降谷自身の底に淀みとして、わだかまり続けるだろう。
「それとも、俺が殺した彼への思いが君をそうさせるのか?」
『いつまで、自称人殺しを名乗るつもりっすか?』
今度は赤井が押し黙る番だった。
『あの日あの場で何があったのか、私は何も分からない。けれど、アナタの人となりを知った今、あの人を止めないとは思えないんすよ。』
「俺は彼を殺していないと?」
『あの人を殺したのは、私だ。』
諸伏やAを妬んでいた、もうひとりの連絡役の公安刑事
彼が情報を組織へリークする可能性も十分に考えられたあのタイミングで、Aは離脱した。
それも、個人的な恨みを晴らす為に
『これ以上、私の役を奪わないでくれます?彼に憎まれ、その矛先を向けられるのは私ひとりで十分だ。』
降谷零の、憎しみ苦しみ悲しみ
そのほんの一部でも
お前なんかに渡してたまるか。
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ユナ(プロフ) - 更新楽しみにしています (8月24日 8時) (レス) @page30 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます、無理せず頑張ってくださいっ!! (2022年8月26日 23時) (レス) @page30 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続き読みたいです (2022年8月4日 20時) (レス) @page30 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
餅と米(プロフ) - 更新が待ち遠しいっ! (2022年5月31日 0時) (レス) @page30 id: 87d6d54ea2 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 作者の仮面タロウです。たくさんのコメントありがとうございます!長い間返信しきれずすみません。作品更新につきましては、滞っていた作品から順番に更新していく予定です。大変長らくお待たせして申し訳ありませんが今暫くお待ちください。 (2022年5月9日 21時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年12月12日 15時