絶対にクビにしてやる２【名探偵コナン】【降谷零】

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貴方side



上司さんは、国に忠義を尽くす人だ。

彼の思想の根本にあるものは、いつだってこの国…



灰原哀の存在が、日本にとって不利益であれば、彼は迷わず隠匿するだろう。



だが彼女は、実験と称して人間を薬漬けにし、シェリーが完成させた薬で何人もの人間の命が犠牲となった。

いくら情状酌量の余地があるとはいえ、果たして上司さんは、そんな彼女を見逃すだろうか…？




確かに上司さんは優しい人だ。

けれど、同時に厳しい人でもある。


安室透ならまだしも、あの降谷零が罪に染まりきった宮野志保シェリーに対し慈悲をかけ、見逃す未来が私には見えなかった。

日本側に彼女の存在を隠匿するという事は、罪を償う場を失うことに等しい。




降谷にとって、それは慈悲なんかじゃなく
“甘え”や“逃げ”にあたるから




だが私は、そんな哀に“逃げ道”を提供してやりたいんだ。


たとえ彼女が、その道を進まなくてもいい。


ただ、辛かったら立ち向かわなくて良い、逃げても良いんだと、私はあの子に伝えたい。

あの子には、今までの人生で逃げる場所なんて無かったのだから…





『だから私は、FBIについた。』




上の命令より現場の意思を尊重し、捜査官の存在をも殺してのけるFBIの方が、哀を本当の意味で助けることができる可能性が高い。


アメリカの証人保護プログラムも魅力のひとつ。


いざとなれば、情報を握り潰すこともいとわないジェームズさんも心強い。




…警察組織の人間としてはどうかと思うけど

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