【銀魂】校 則 違 反【坂田銀八】

ちょーだい ページ27

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「としくん、タバコちょーだい」


「あ？お前吸ってたのか」


「貰ったやつしか吸った事無いけどね」









その時、

脳裏に浮かぶのは
あの紫色のサラサラ髪のやつ。



そういえば
最近会ってないな。


明日にでも屋上行ってやろうかな？









「別にいいけど、」


「けど？」









箱から一本だけ出た
タバコを抜き取りながらとしくんを見る。









「あんまいいもんじゃねーだろ」



「んなのとしくんにも言えんじゃん」









それを咥えて
火を催促すると、


としくんのまあまあ端整な
顔が近づき、自分のタバコの火を移してくれる。





じわじわと
タバコの先っぽが


赤くなっていき煙が出る。









「ん、ありがと」


「おー」



「うえ、…ゲホッ」









一気に吸うと、


物凄い痛いものが喉を走る。






あまりの痛さに咳が出て、
涙まで出てしまう。









「痛…キツくない？」



「そうか？」




「うわ、ピースじゃん」


「まあタールは多いよな」









箱をよく見ると、
かなりキツいタバコで、


いつも高杉から貰うタバコは
香りは甘くて少しほろ苦いって感じで



何だっけ、ブラックデビル・チョコレートだっけ？









見た目もなんだか可愛くて
タバコ自体も真っ黒でなんだかオシャレ。



タバコ特有の苦さもあるけど
チョコみたいに甘くてまるでチョコを食べてるみたいな感覚になれる。









そんなやつしか
吸ったことないからとしくんのはかなり痛い。









「…嫌なら吸わなくていいぞ」



「いいよ、勿体ないし」









…









「ねえ、としくん」


「なに」



「私ね、銀八のこと好きかも」


「そりゃまたいきなりだな」









初めて
タバコを吸ったのは


総悟のことから逃げるため。






でも前みたいに
胸が痛くて、それを紛らわすために吸っても胸の痛みは消えなくて、









「苦しいよ…」


「泣いてんのか？」


「…キツいからね」




「ふーん、じゃあ止めとけ」









ひょい、と


としくんの長い指が
タバコを攫っていく。









「止めとけ、そんな辛いこと。」


「それってどっち？」



「どっちも」









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