【銀魂】校 則 違 反【坂田銀八】

坂田銀八 ページ17

「せんせー」


「お、A。」








特別に会いたい訳でもないけど
今日は用事があってこいつの前へとやって来た。


目の前のそいつは、
怠そうに私に視線を向ける。





そしてそいつの前に
一枚の紙を置く。








「バイト申請？」



「そ、私バイトするから」







銀八の根城？である
空き教室。


すっかりよく分からないダンボールや
ジャンプの山に大人な本。


そしてガラクタばかりの部屋の
ジャンプが積み上げられたデスクに腰を下ろす。








「私、真面目な方だし許可おりるっしょ？」



「真面目、ねぇ…」









あんまりこの場にいたくない。




だって多分
私達は体を重ねた関係。



そんなのって、

そんなのって、



気不味すぎるじゃない。








「んー…まあ、いいんじゃね？」



「んじゃあバイトしますねー」









銀八なら


絶対そう言うと思ったから。




下ろしていた腰を上げ
そして銀八に背を向ける。



やっと気まずさから解放された、
そう思った瞬間にーーー。







「Aー、


お前、ブラジャー白にしたか？」




「残念。私は黒派。」









**ーーーーー

*ーーー

…


(銀八side)








「残念。私は黒派。」







その言葉に
ある夜のことを思い出した。



ぼんやりと浮かぶあの日の記憶。






白く滑らかな肌に映える黒いその僅かな布地。









「そういやぁ…」








あの時の女も、黒だったな…。








柔らかな記憶の中
はっきりと覚えている


黒髪ってことと、


細身だったってことと




ブラジャーは黒だったってこと。









なんで記憶がねーんだ、
なんてその日の自分を呪う。



たしか辰馬と飲んで…、

駅に行ったら電車がなくて、




…それから先の事が全然分かんねぇ。









「なに、気持ちわる…」









考え込んでいると


目の前のそいつは怪しげに俺を見る。
そいつをよく見ると、






細身で、


少しウェーブをかけた長い髪。







「まさか、な」


「なに、本当きもい
もう行っていいでしょ？」








口を開けば
毒づくそいつに溜息を漏らしながら
「おー帰れ帰れ」なんて手を動かした。



そして一睨みされて


そいつはもう一度後ろ背を向けた。








「可愛げのねぇこって」









一夜の甘い夢、



そいつを思い浮かべて
あいつだったら可愛げあるんだろうな、



なんて妄想を繰り広げた。

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