第158話 紅潮 ページ21
お酒なんて、飲んだことはない。
劉さんと一緒に舞踏会や夜会には何度か行ったことはあるけれど、そこでお酒を勧められる度にいつも劉さんが断ってくれていた。
もちろん、お酒を飲む劉さんを見たことは何度もあった。
でも……
｢……名前｣
｢っ……｣
頬を紅潮させて、綺麗な黒い瞳をとろんとさせている顔は初めて見る。
劉さんに媚 薬を飲ませた人は、この劉さんを見たんだ。
ずるい。
ダメ。
この人は、私だけの……____________
ベッドが軋む音と、空になった酒瓶が床に落ちる音はほぼ同時。劉さんの熱い視線から逃れるように俯いている私と距離を縮めて、熱く大きな手が私の頬に伸びた。
｢んふふ……可愛いね〜｣
｢劉さん、酔ってますか……？｣
｢んー？どうだろうね？｣
髪を耳にかけられ、劉さんの口が耳たぶに触れる。
｢我をこうさせたのは名前だよ｣
耳元で囁かれ肩が跳ねる。
その様子を見て、劉さんは私の方に体重を預けるようにして抱きついてきた。
｢ちょっと、劉さん……！｣
｢
｢！？｣
｢
脳内処理が追いつかないまま、劉さんに組み敷かれてしまう。
大好きって……
｢名前……｣
愛してるって……
｢
媚 薬なんてものがなくても、
｢劉さんっ……｣
私は、この人を引き留めていられる。
｢
この人、酔ってない……。
劉さんの体を押し返していたが、呆気なく手首をベッドに押さえつけられる。
キスが苦いのはきっと、お酒のせい。
｢んっ……劉、さん……｣
｢
｢
私は劉さんだけのもの。
だから、劉さんも私だけのもの。
｢
今からされる“仕返し”を想像して、思わずこくりと生唾を飲み込んだ。そんな私を見てからかうように笑う劉さんもかっこいいなぁ、なんて思ってしまう。
きっとこの気持ちは一生変わることはない。
私は、劉さんに恋していく____________
初めての恋心編 fin.
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古畑のねこ(プロフ) - oemi200174さん» こちらこそ最後までお読み下さり、本当にありがとうございました……！現在｢溺愛、死｣のその後のお話を執筆しておりますので、良ければ是非読んで頂けると嬉しいです……！ (2022年4月18日 15時) (
レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
oemi200174(プロフ) - 最後までありがとうございました！素敵な作品に出会えてよかったです！これからも応援してます！！！！ (2022年3月20日 0時) (レス) @page50 id: bdeac365d5 (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - しののしさん» ありがとうございます……そう言って頂けてすごく嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年1月8日 23時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
しののし - 最高です。更新楽しみに待ってます。 (2022年1月1日 12時) (レス) @page26 id: 969dc0e871 (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - アリアさん» ありがとうございます！素敵な最終回になるよう、頑張ります！ (2021年12月12日 0時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古畑のねこ | 作成日時：2021年9月25日 4時
