第150話 女子 ページ13
そんな私の反応を面白そうに見ていたグレルさんは突然私の肩に手を回して自身の方へ、私を引き寄せた。
「ウフ、そういうことならアンタの話、聞いてやんないこともないワ」
「え……?」
「やるわヨ!女子会!」
「え、ちょ、グレルさん……!?」
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そう言って連れてこられた場所はお洒落なカフェ。もちろん周りには普通のお客さんもいる。そんな中、私たち三人は一番奥のテラス席に座った。
「あ、あの……女子会って?」
「女の恋バナって言ったら女子会デショ」
「俺男なんスけどー」
「それにグレルさんは女子っていうより、だん、」
「なんか言ったァ?」
「……い、いえなんでもないです」
男性では、と言うとしたがグレルさんの圧に圧倒されて口が裂けても言えなくなった。
それに恋バナって……。
「お、お二人は一緒にお買い物ですか?」
「まさかー!俺はサトクリフ先輩の荷物持ちに駆り出されただけ」
「暇してたしいいデショ!それに良かったじゃない、この子とも会えて」
「え?」
「あーあーあー!なんでもない!なんでもないから!サトクリフ先輩も余計なこと言わないでくださいよ」
「なーに照れてんのよ」
ロナルドさんは私と視線を合わせないように頭をがしがしとかいてそっぽを向いた。
そんなロナルドさんを見てふと、ジャケットを借りていたことを思い出して今までずっと持っていたそれをロナルドさんに差し出した。
「ロナルドさん、これありがとうございました。返すの遅くなっちゃってごめんなさい」
「ぁ、あぁ!どういたしまして!」
「んで?早速本題だけど、喧嘩の原因はなんなの?」
運ばれてきた紅茶を飲みながらグレルさんは私を見下ろした。
「えと、実は……_____」
全てを話し終えると、グレルさんは全てを察したようにため息をついた。
「それ、確実にいるわね」
「いるって、何が……」
「愛人よ、あ・い・じ・ん」
「あ、愛人……劉さんが……?」
「大体男が朝帰りするってことは、“そういうこと”なのよ」
現実のどん底に叩きつけられたような感覚に陥って私は俯いた。
「んー……まぁ裏社会の人間って嘘や隠し事は当たり前みたいなところあるし。ありえない話じゃないんスかね」
「アンタちょっと嬉しそうネ」
「えっ、まさか〜……」
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古畑のねこ(プロフ) - oemi200174さん» こちらこそ最後までお読み下さり、本当にありがとうございました……!現在「溺愛、死」のその後のお話を執筆しておりますので、良ければ是非読んで頂けると嬉しいです……! (2022年4月18日 15時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
oemi200174(プロフ) - 最後までありがとうございました!素敵な作品に出会えてよかったです!これからも応援してます!!!! (2022年3月20日 0時) (レス) @page50 id: bdeac365d5 (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - しののしさん» ありがとうございます……そう言って頂けてすごく嬉しいです。これからも頑張ります! (2022年1月8日 23時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
しののし - 最高です。更新楽しみに待ってます。 (2022年1月1日 12時) (レス) @page26 id: 969dc0e871 (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - アリアさん» ありがとうございます!素敵な最終回になるよう、頑張ります! (2021年12月12日 0時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:古畑のねこ | 作成日時:2021年9月25日 4時