第72話 拝啓 ページ30
拝啓 シエル・ファントムハイヴ伯爵殿
はじめまして。
突然のお手紙をどうかお許しください。
私の名は、ワカミヤ キョーコと申します。
今私は、とある女の子を探しております。その子の名はワカミヤ サクラ。
私の実の娘です。
風の噂でここ英国に身を寄せていると聞き、日本からやって参りました。
それと同時に、ファントムハイヴ伯爵殿の噂も聞いております。貴方様なら何かご存知なのではないかと思い、今回お手紙を書かせて頂きました。
裏社会に通づる貴方様なら……。
もしこのお手紙を読んでいらっしゃっていましたら、どうかお返事を頂けると幸いです。
ワカミヤ キョーコ
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｢ふん、くだらん｣
シエルは手紙を読み終えるとそれをテーブルに放り投げた。そんなシエルの態度に手紙を渡したセバスチャンはほんの少しのため息をついた。
｢……坊ちゃん｣
｢僕は何でも屋じゃない。人探しなんかしてられるか｣
｢ですがこの方、坊ちゃんや女王陛下との繋がりのことをご存知のようですし、何より裏社会の事情を知りたがっているということは我々と接点が無いとは言いきれないかと｣
｢……何が言いたい｣
｢坊ちゃんも気づいているのではありませんか？この方が、誰なのか｣
｢……｣
セバスチャンからの問いには答えず、
シエルは彼から顔を背け窓の外に視線を向けた。
思い当たる節が無いわけではない。
書きなれていない英語に、あまり目にしない手紙の書き方、
そして日本人らしい名前。
恐らく彼女は……____________
｢どうなさるのですか？｣
｢……僕だけが関わっていれば良かった｣
｢……｣
｢僕だけなら、すぐに手放していた。だが……｣
｢あのお方はそうはいかないでしょうね｣
セバスチャンがくすくすと笑みを浮かべるのを見てシエルは椅子から立ち上がる。
そして一呼吸置いてセバスチャンに告げる。
｢セバスチャン、返事を書け。今すぐに。それから……名前を呼べ。劉は連れてくるなと伝えろ｣
｢イエス・マイロード｣
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古畑のねこ(プロフ) - みすすさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです；；続編もありますので、是非そちらも読んで頂けると嬉しいです！ (2021年8月9日 16時) (
レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
みすす - おもしろい！ (2021年8月9日 11時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - りのさん» はじめまして！素敵なコメントありがとうございます！小説を書く励みになります……；；これからも頑張って更新していきますので、お時間がある時に読んで頂けると嬉しいです！ (2021年2月18日 0時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！本当に劉がかっこよすぎてたまりません（ ; ; ）ありがとうございます（ ; ; ）更新応援しております！楽しみですっ！ (2021年2月15日 18時) (レス) id: 316c0ca52b (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - きなこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです；；これからもかっこいい劉をたくさん書いていきますので、お時間あるときに癒されて頂ければ幸いです……！ (2021年1月2日 23時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古畑のねこ | 作成日時：2020年9月29日 3時
