第63話 快感 ページ18
肌寒さを感じて目を覚ました。
部屋に充満する甘い香り。
感じたことの無い体の痛み。
隣を見れば大好きな人の背中。
服を着ていない自分の体を見て、
昨夜の出来事が薄らと蘇る。
ら、らう……さんっ……も、むりぃ……
おや、もうギブアップかい？
何度も押し寄せる快感から逃れるように身を捩り、顔を背けるが劉さんには通用しない。
逃げてはいけないよ。これは“お礼”なんだから。
も、じゅ、ぶんっ、だから……っ
ダメ。……我の我儘にも付き合っておくれ。
｢……っ｣
頬に熱を感じ、私は床に散らばるメイド服を簡単に纏って浴室へ向かった。
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劉が目を覚ましたのは、名前が浴室へ向かってしばらくしてからだった。
｢……名前？｣
隣で寝ていたはずの名前がいないことに気づき、名前を呼ぶがもちろん返事は返ってこない。
｢……｣
昨夜の記憶を辿りながら服を着ていく。
名前からのお願いとは言え、少し強引すぎただろうか。
……もしかしたら、我に怯えたかな。
左手の人差し指にはめられた指輪を見て考える。
そんな不安をかき消すように煙管に手を伸ばそうとした時、自室の扉が開く。
｢あ、劉さん……｣
｢名前、おはよう｣
｢お、おはようございます｣
いつもの中華風のワンピースに身を包んだ名前は、どこか落ち着きがなさそうにそう答えた。
おいで、と手招きして呼べば恥ずかしそうに近寄ってきた。
ベッドに腰掛けたまま名前の頭を優しく撫でる。
｢劉さん……その、ごめんなさい｣
｢ん？何が？｣
｢……色々と、です……｣
頬を赤く染め、蚊の鳴くような小さな声でそう言う名前。愛らしい反応に思わずクスクスと笑みが零れた。
｢……なんで笑うんですか｣
｢ごめんごめん、昨日の名前があまりにも可愛くてさ｣
｢うぅ……｣
｢ふふっ、体は平気かい？｣
｢ちょっと痛いです……でも｣
｢？｣
そこまで言って、名前は劉の刺青がある左腕に手を伸ばした。
｢劉さんのこと、たくさん知れたから……十分幸せです｣
｢それは良かった｣
劉は名前のおでこに優しくキスを落とした。
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古畑のねこ(プロフ) - みすすさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです；；続編もありますので、是非そちらも読んで頂けると嬉しいです！ (2021年8月9日 16時) (
レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
みすす - おもしろい！ (2021年8月9日 11時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - りのさん» はじめまして！素敵なコメントありがとうございます！小説を書く励みになります……；；これからも頑張って更新していきますので、お時間がある時に読んで頂けると嬉しいです！ (2021年2月18日 0時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！本当に劉がかっこよすぎてたまりません（ ; ; ）ありがとうございます（ ; ; ）更新応援しております！楽しみですっ！ (2021年2月15日 18時) (レス) id: 316c0ca52b (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - きなこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです；；これからもかっこいい劉をたくさん書いていきますので、お時間あるときに癒されて頂ければ幸いです……！ (2021年1月2日 23時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古畑のねこ | 作成日時：2020年9月29日 3時
