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正直手紙なんて見ない方が良かったと後悔した。
「…ばかだなぁ」
そういうと、涼はぎょっとしたような顔をして私を見る。
ほんと、どっちも馬鹿だよ。
私は涼の為だと思って、距離を置いたのに
涼は私の為に距離を置いてただなんて。
すれ違いにも程がある。
せっかく可愛くおめかしだってしてきたのに、多分涙で全部ぐちゃぐちゃ。
こんな顔でどうやってこの後帰れというのか。
「2人とも馬鹿だよ」
「…そう、かもね」
泣いている私の頬を優しく撫でながら、もう離さないというように私の手を握るもう片方の手。
その瞬間、ぱっと綺麗な光が視界を覆う。
それを見ると、空に花が咲いたような花火が打ち上がった。
時差でくる花火のぼんっという音にびっくりした涼がぎょっとして、なにこれなんて驚いているのを見て、花火の音だよっていうとまたびっくりしていた。
耳大丈夫?と聞くと、大きい音はあんまり良くないから電池切るよと言われて、そんな器用なことができるのか…と関心。
でも今度2人でどこか行く時は、静かな優しい音が響く所にしようと参考になった。
2人で花火が終わるまでずっと眺めていて。
終わったあとの帰り道で。
「来年は、家で見る?
外で見る?」
なんて究極の2択を迫られて涼は悩みきっていた。
私の母に、涼が挨拶すると
驚いた顔をして、良かったわね涼くんと泣きそうな顔をしていた。ちなみに父も。
私もそうだけれど相当私の両親も心配していたから。
息子になった気分と笑っていた涼をみて、え、息子でしょ?なんていつから気づいていたのか。
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ハル(プロフ) - 新作、!!!頑張ってください! (2019年8月19日 0時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまわり | 作成日時:2019年8月19日 0時