* ページ41
Aへ
率直に言います。
A好きです。
昔はよくいじめられていた俺を守ってくれて、その上やり返してくれて、あの時の気持ちはいつまでも忘れないよ。
ずっと一緒に遊んで、休日も一緒で、よく泥んこになって2人して遊んだ後、母さん達に怒られてたこと覚えてる?(笑)
でも、2人とも懲りずに毎回のように泥だらけになったり、汚れてたりしてたよね。
多分、距離ができたのは小学校高学年か、中学校入学した時くらいだと思う。
きっと、2人とも大人になろうって必死にもがいてた時期だった。
2人とも周りの目を気にするようになって、一緒に歩いて帰ったら冷やかされるって過剰になってた。
それは高校からも続いて。
そして、猪狩がAを見つけた時、Aを守れるのは俺じゃないって思った。
耳が聞こえなくて喋れない俺と居るより、猪狩と居た方が幸せなんだって思った。
でも、どうしても諦められなくてAの隣は俺がいい。俺でいいって。
やっと、決心が着いた。
機械を埋め込んで、聞こえるように電波を流す。
正直手術前の毎日が怖くて時間が流れるのがゆっくりに感じた。
その分、失敗したらどうしようとか今の俺に似合わないようなマイナスなことばっかり考えてて、それでも、やらない選択肢は無かった。
聞こえるようになった時は、これが音なんだって思った。
テレビの音も、音楽も、楽器の音も、人の声も、赤ちゃんの泣き声も、風の音も、雨の音も。
全部が新しく感じて、なんて言えばいいか分からないんだけどこれが音なんだっていう感想だった。
今までずっと守られっぱなしで、守りたいと思っても違う方向に走っちゃって、でも、これだけは確実です。
Aが好き。
誰よりも好き。
ずっと好きだった。
647人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - 新作、!!!頑張ってください! (2019年8月19日 0時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひまわり | 作成日時:2019年8月19日 0時