意気地無しラブレター【Ryo】 (ページ40)

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＊ページ40

本当は、手紙書いたんだよ。
上手く伝えられるか分かんなくて。

そういって照れくさそうに笑う彼が本当に愛おしくて。

｢もう、手話もボードも要らなくなっちゃうね｣

って、私だけの意思疎通も無くなっちゃうのかななんて少し寂しく思ったり。

｢…お、れ
まだ、ぜんぜ、うまく、しゃ、べれない｣

手話もボードまだまだ使うよ?

それに日本語難しい。
手話と日本語の構成違うんだもん。

病院でリハビリしたけど、全然。
ずっと直されてばっかだもん。

と、相当の練習をしてきたのが分かる。

りょーちゃんは負けず嫌いだから多分毎日リハビリをしていたんだろうけど、そんなに焦らなくてもいいんじゃないかなと言うと、

｢…だっ、てはな、したい｣

と私を指さす。

｢…！

よーし、それじゃあ明日からまたみっちり教えるね！｣

というと苦笑して、優しくしてねと言われる。

また君の隣に並んで歩ける。

それがどんなに嬉しいことか。

｢あ！それと手紙読みたいから、ちょーだい！｣

というと嫌と拒否するように首を横に振る。

なんでよーとぶーぶー言いながら、帰る帰り道。

貴方とこうやって話すことが出来る日が来るなんて想像できなくて

少し涙が出てきそうになる。

どうしたの?と少し笑って手を動かす彼は変わっていなくて、なんでもないよとその手を握る。

そうすると、少し驚いたように私が握った手を優しく繋いでくれてこんなに幸せな時間はもうきっと貴方とじゃなきゃ巡ってこないと思うの。

りょーちゃん、ううん。

涼、好きだよ。